英国では、中学(中高一貫・12歳~16歳)の
終了資格試験(GCSE)の全国成績を発表する際に
「contextual value added (CVA) 」
という数値を同時に載せます。

元々の意図は(本音では)
貧民層や英語の弱い移民の子供が通う学校の
成績が悪くなるのは【当然】なのだから
テストの成績だけでなく
「学校が、どれだけ努力しているか」
が、わかるような数値を加えて評価しよう...
だったはずなのですが
現実的には、こうなっています。

http://www.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/education/school_league_tables/article3162680.ece
(タイムズの記事)

もちろん
衝撃度を高めるために
強調した書き方をしているんですが

It must deduct 14 points from its CVA score for
every girl (they are considered harder workers)
and 32 points if they are Chinese
(they are considered the easiest to teach).
For Indian pupils the school loses 24 points.

まず、
「女の子は勤勉だから14点をひく」
で、性差別そして
中国系生徒は
「最も教えやすいから32点をひく」
(インド系は24点ひく)
で、立派な人種差別・人種偏見ではありませんか!
(この具体的数字に、思わず笑ってしまいましたが...)

実は、英国では
国民統計は、もちろん
学校に住所電話番号などの
個人情報を登録する際にも
図書館で貸し出しカードを作る際にも
病院に入院する際も
この「人種」申告が、あるのです。

国勢調査以外は必須ではありません。
(よって、違法にならない??)

国勢調査の場合
(以下そのまま転載しますと)
White
(British)
(Irish)
(Any other White background)

Mixed
(White and Black Caribbean)
(White and Black African)
(White and Asian)
(Any other Mixed background)

Asian or Asian British
(Indian)
(Pakistani)
(Bangladeshi)
(Any other Asian background)

Black British
(Caribbean)
(African)
(Any other Black background)

Chinese or other ethnic group
(Chinese)
(Any other)

以上で
「その他」を選んだ場合は
別途、記載が求められます。

ちなみに
「Asian」は、英国では、南アジア人
(インド・パキスタンなど)という意味です。
日本的な「アジア人」という意味で
使う場合もありますが
口語では100%南アジア人という意味しかありません。

そして「ミックス」は
「白人と非白人」と
思われている印象です。
(その他のミックスは、どうでもいい...という感じで..^^:)

地元の病院の分類は、こうでした。

White
Black Caribbean
Black African
Black Other
Indian
Pakistani
Bangladeshi
Chinese
Any Other Ethnic Group

また、調査・分類はどうであれ
意識的には、日本人も韓国人も
「中国人」と分類されていると思います。

学校入学時にも
この人種申請が「任意で」ありました。
毎年、「人種別」の全国統一
GCSE(高等学校終了認定試験)の
結果が発表されますが
上の、生徒の「人種分類」が
利用されています。
去年は(というか、大体、連年)
中国系がトップ
次がインド系、次が白人でした。
最下位はカリブ系黒人、その次が
確か、バングラデシュ系だったと記憶しています。

おそらく
ここから、CVAスコアでの
中国系は32ポイント引きの
「理論」が生み出されたのでしょうが
ある人種・民族の傾向を(無差別に)
一個人に適用する方法が
「学習障害のある生徒数」
「英語を母国語としない生徒数」
と同種として、公式に
(差別や偏見とも思われずに)
堂々と扱われているのに
非常に驚いています。

ただでさえ、英国の公立教育は
朝令暮改の教育政策にもてあそばれて
もとより少ない予算を無駄遣い(と断言!)
されているというのに
(戦後ずっと続く傾向か???)
今後が、不安です....


小市民の私にとっては最大の不安は
息子の大や小への影響なのですが
該当年齢のいない市民にとっても
この国の将来への莫大な影響を考えると
非常に関係の深い問題だと思います。

ぐわぁぁっ憂鬱っ!!!!
(英国だけじゃないのは、わかってるがぁぁっ)