スライダーズおやじ -2336ページ目

 今際の際に読みたい本

昨夜、宮部みゆきの『誰か』を読み終わりました。
腑抜けたサスペンスみたいで派手さはないけれど、読み終わってみればなかなか面白かったです。

企業トップのおかかえ運転手が自転車にひき逃げされ、その娘姉妹の葛藤をベースに話しが展開します。といっても、犯罪者を追い詰めるようなストーリーではなく、純粋な姉妹モノです。
作家さんが女性ということで、女性キャラクターの心情や輪郭がとても細かく描写されていて、へーっと感心します(笑)
また、最後の30ページくらいは、畳みかけるようにストーリーが展開・収束していき、ドミノ倒しのような爽快感もありました。


そういえば僕が22歳の頃、友達がこんな感じの本を貸してくれました。
タイトルもストーリーもぜんぜん記憶に残っていないので、おそらく表装が似ていたのでしょうか。
大人の恋愛ものだったか、不倫ものみたいな感じだったかな。

その頃、ガンで入院していた上司の見舞いに行きました。おそらく当時で45歳くらいだったとおもいます。
数年前からガンの宣告を受けいれていた彼は、人生の終わりを迎える病床にあっても、実に堂々たる大人でした。

見舞いが買えなかった僕は、友人から借りたその本をあげてしまいました。
そしたら彼は大変喜んでくれました。

他の見舞い客は「禅」とか、「哲学モノ」、「歴史モノ」といった、固いものしか持ってこない。こういう本が読みたかったんだ。お前は偉い。と。

なんか、僕はそのとき、「限られた時間の中、こんな本を持っていったら一蹴されちゃうかな」とびくびくしていたので、彼の垂下がった目尻を見てうれしくなるとともに、人間っていいなあと思いました。

・・・あ、その本の持ち主は、部長とも面識があったため、いっしょに喜んでくれましたので、ご心配なく。


まあ、そんな感じで、昨日読み終えた作品も、いい感じです。
なんといっても、自転車事故がベースですし、性悪な人間ってのが出てこないのがいいです。
読後感がよく、リフレッシュに適した秀作ですので、なんかのときのためにキープしておいていただくといいかもしれません。

 格闘ゲーム

昨日は会社の帰りに六本木のドンキに立ち寄り、2年生の末っ子にリクエストされた誕生日プレゼントを買って帰りました。
ゲームキューブソフト『ナルト3』です。

「やることをやってからにしなさい」という細君の声に反応し、普段では考えられないような機敏さで身支度を整え、部屋を整頓し、絵日記を付け終えるという長男と次男の姿には、思わず感心してしまいました。

このゲームは3Dポリゴンの対戦格闘ゲームです。ちょっと子どもの相手をしたのですが、一回も勝てませんでした。
コレ系のゲームは、僕の中ではスーパーファミコンのストリートファイターⅡ(2D)で終わっています。

格闘ゲームといえば、いつかプレイヤー自身の写真なり、用意した画像なんかでアバターを生成して戦うようなゲームが出ないかなあなんておもいます。そうすれば、実在するレスラーやミュージシャンだって、またどんなマンガのキャラだって、著作権フリーで勝手に使って遊べるし。

そしたら僕はズズを操り、敵をヒラ~っと紙みたいにのしちゃいます(笑)

 ファンはスライダーズに似る?

何年か前に新聞で、UCLA大学の実験で「ペットは飼い主に似ない」という結論が得られたという記事を読みました。
結果から言うと、「飼い主には自分に似ているペットを選択する傾向がある」ということなのだそうです。

純血種の犬を飼う25人と彼らのペットの写真、雑種の犬を飼う25人と彼らのペットの写真を、それぞれバラバラにし、被験者に組み合させることによる正解率を求めた結果、純血種の方は高確率(16/25くらい)で正しいペアを選出し、雑種の方では犬と飼い主が似ているという結果は得られなかったということでした。

このことから、成長後、どんな外見になるか予測できない雑種の子犬に比べ、純血種は成長した姿が想像可能なため、子犬の時点で、成長後に自分と似ると予測した犬を、人間の側が選ぶ傾向があると定義したようです。

ペットだけでなく、音楽や、自分が好きだとおもう相手に対しても、そんなことがあるのかもしれないですよね。

例えばスライダーズのファンは、スライダーズが自分に近いものを持っていそうだから好きになる・・・と。
ここまで書いて、はたと気が付いた。共感できる、もしくは自分の性質に共感された気分になるから、好きになる・・・って、これってあたりまえのことだったりしますかね?(笑)

まあ、前置きはこれくらいに。

えっと、人間、憧れの人の真似をしたくなるのは、普通だとおもいます。
僕も、彼らの生き方や立ち居振る舞い、世界観なんかにも、いろいろと影響を受けてきました。ライブでは、スライダーズのステージ衣装を思わせるファッションの人も多くいました。

僕もスライダーズのファッションに影響されたような時期がありましたが、今はそれよりも、メンタル的な部分や外界に対する姿勢への憧れが強いです。
しかし、そのあたりの情報がほしくても、スライダーズの場合、「こうするべきだ」、「オレはこういう人間だ」という部分をアピールするようなことはあまりありません。インタビュー記事なんかで読んでも、回答の内容が毎回違っていたりして、気まぐれなんだなってこと以外、さっぱりわけがわからないという感じでしょうか。

まあ、そんなわけで、ファンがそれらを嗅ぎ取るには、彼らのライブや作品の中から、自分の感性でかきあつめなければならないわけですが、僕は『スライダーズ』のどこが好きで、どんな部分をまねっこして、どんな影響を受けてきたかということを、バンドとして、またメンバー別に、書いてみたいなあとおもいました。

ただ、スライダース好きな自分とスライダーズを比較することで、なんか自分のアイデンティティがぐらついたり、悪癖があらわになったりしそうな怖さもありますけど。