KRELL KBX チャンネルデバイダー 1990年 アメリカ ￥800,000
 

 

チャンネルディバイダーで 『音は大きく変わる』 と言われますが、本当に大きく変わります！
KBXは黄金期KRELLのサウンドが再生音にそのまま乗ってきます。サウンドには非常に重厚感があり、
熱く厚みがある音で、『圧倒的な世界観』を提示します（！）物凄く筋肉質でゴリゴリのマッチョな
サウンドがシステムの音を強烈に染め上げ支配してきます。FM acousticsのプリアンプと
パワーアンプの間に使いましたが、印象としてはFMのペアの間に、『温度感の高い』
黄金期KRELLの熱いプリの音が入ってくる感じで間違いないです。数万円の業務用機との比較では
『圧倒的な格の違い』をどなたにでも実感できます。かなり誇張感のある往年のアメリカンハイエンドな
サウンドデザインですが、大幅なランクアップを確実に感じることができるでしょう。
この音には感激しました！物凄く底力のある音ですね。この『力強い音』は大きな筐体と
強力な外部電源の力が大きいです。ただし、非常に厚みがある音で、
強大な低音の厚みがありますし、かなり脚色があるのでどうしても音が少し鈍りますし、
KRELL KBXは部品点数も非常に多く回路も複雑ですから「情報量」という意味では
不利になる印象でした。『KRELLは力で聴かせる音ですから』 透徹した音が好きなピュアリストな
方には向かないかも知れません。高効率 107dBのJBL S9500に搭載の475Ndのホーンドライバーに
使用しましたが、こういった使用環境ではユニット（ドライバー）が非常に能率が高いので
ホワイトノイズはやや気になります。（サーというノイズ）ノイズが気になる方はFMなどより
ももっとS/N比がいいアンプをお使いになれば少しは？解消すると思います。入出力は

フルバランス回路ですが、パラレル（並列）でアンバランス（RCA）の回路も装備し、

入出力共にアンバランス接続も可能です。アンバランスで入力し、フルバランス信号で

出力する事も可能です。この場合もコモンコード・ノイズをキャンセルできるので、

音質が良くなります。入力はアンバランスでも問題ありません。

マーク・レビンソン氏が1985年当時全く同じことに言及されておられます。

このKRELL KBXはプリがアンバランス、パワーがフルバランス回路のアンプをお使いの方の

救済にもなります。電源部を本体の上に置いたり、アンバランス使用時に「ブーン」という

ハムノイズがスピーカーから出る事がありますが、拙宅ではFM155プリアンプの電源を

アイソレーション（絶縁）トランスから取ると解消しました。フルバランス接続時にハムで

苦労することはまずないと思います。アンバランス接続時には『シールド切りのRCAケーブル』

など念の為に別途用意された方が良いかもしれません。


筆者が購入したのは500Hz－12dBのJBL Paragon olympus用モデルです。
スピーカーのホーンの対応次第の所はありますが、2インチドライバーをお使いの方には

お勧めします！「音が重くなるから」メーカーの推奨値を守った方がいいというご意見も。


また、KBXと同時代のJBL S9500辺りでは 『650Hz －12dB』という公称スペック値ですが、
JBL 475Ndの2インチホーンドライバーを搭載していますので、ホーンスピーカーの
マニアでマルチを組む方は標準の650Hzよりできるだけ低い数値にクロスを設定したいと
みんなが思ってるのはマニアの中では常識です。



参考URL




クロス800Hz辺りが標準の1インチドライバーでも600Hzにクロスを設定して大きな音量で
鳴らしても長期間なんともないというベテランのマニアの方の証言もご紹介いたします。

JBLやTADのドライバーは相当頑丈なので絶対は保証はできませんが、まず大丈夫です。

参考までにJBL 475Ndのダイヤフラム破損時の交換はハーマンに出せば69,290円ほどです。

（ユニットを全部外して発送するミニマムな価格になります）



またKRELL KBXは電源ケーブル交換にも敏感な反応を示します。

影響力大ですね。


暴力的なまでに『エグい音』を出したい方には、NBS BLACK LABEL Ⅱ、Ⅲ、Ⅲs 電源ケーブル
リーズナブルに太く力強い音を出したい方には、ZONOTONE 6NPS-5.5GRANDIO
KRELL KBXの強すぎる個性を抑えて、重厚感や低音の量感を控えめにしたい方には
低域が締まったハイスピードな音のAET SCR 電源ケーブルが良かったです。