悪魔 vs 悪魔 | 王様の耳はロバの耳

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ゆがんだかがくしゃのたのしいにっきだよ

時節柄、研究者とか博士の学生とかやってる人は
「君、うちの研究室来ない?」
って言われたことありませんか?

こういう事いわれると、普通の学生さんは舞い上がります。
『ああ、私は認められているんだ~』
『そうそうウチのボス(教授)ひどくって!!』
とか思ったり言ったりしてしまうんではないでしょうか。



昨日の話。
Haption User Dayの会場にて。

ウェルカムドリンクの場で、ポール・某なる研究者が視界に入りました。
彼がHaptionのユーザかどうかは知りませんが、フランス中の(IEEEVRやワールドハプティックに参加していない)触覚研究者が集まっている場ですから居ても当然かもしれませんね。

で、彼は私の中では典型的な「悪魔に魂を売った研究者」です。
早速、ウチの研究室の新参D1学生を見つけるや否や「どうしてこの研究室にいるの?うちに来ない?」とナンパしてます。

で、何故彼が、「悪魔に魂を売った研究者」なのか。
大型予算大好き、口八丁手八丁大好き、研究姿勢は「何でもやってみよう」、でも「ウケればいいや」(飽きやすい)。加えて言うと、学生そこらじゅうから連れてきているけど、論文書くときは自分がファーストオーサー。さらに某有名国際会議では口頭発表を無断欠席したことがあります。

まあ彼のスマイルについていったが最後、しゃぶられて終わりですね。

ちなみにウチのボスも古典的な「悪魔に魂を売った研究者」です。
違いは笑顔がさわやかで、奥さんがポール・某よりも職場にしゃしゃり出てこないところ、あと論文に自分の名前が入ってなくても(入っていても)気がつかない所でしょうか。

「ライバル研究室間の確執」というのはマンガ「動物のお医者さん」のエピソードにもありますが、けっこう一般的な話だと思います。
「敵を作らない研究者」ってのは人格的によくできてて偉い先生なんですけど、逆言うと、普通に論破されてる先生のことを指したりもします。

結局のところ、この争いは「悪魔vs悪魔」なんです。
学生はこんな戦いに巻き込まれてはいけません。

できれば私は、
悪魔ではなくて天使になっておきたいと思いますが甘いでしょうか。


★ちなみにこの、声をかけられた学生は、終始「お前のボスは馬鹿だ、何故ここで続ける!?」と言われ続けたそうです。で、仕方ないので「はぁ、はぁ」と生返事。精神的ダメージはそこそこにありますね。私も声かけられたことありますけど、当時は真剣に悩みましたよ。でも研究室移って解決する問題って何?
さらに加えると、すでに彼の研究室は見学していて「駄目だ…」と思ってウチに来たそうです。それすら覚えてないポール・某は…。