※このブログは2014年3月22日のアメンバー記事を公開記事に変更したものです。
今日、知人から 次男とは別の公立進学校に通う息子さんの受験のことで「相談にのってほしい」と電話があった。
息子さんは今年、前期で京大理学部を受験して
残念ながら不合格だった。
後期はうちの長男と同じ北大理学部を受験して見事合格だった。
ところが、息子さんは、北大を蹴って浪人して再度京大を目指すか?北大に入学するか?迷いに迷っているというのだ。
明後日の月曜日までに結論を出さなければいけない。
私には、「北大に入学してほしい」「親も早く楽になりたい・・」という知人の親としての気持ちが強く伝わってきた。
我が家の長男が、前期東大受験不合格で 後期で合格した北大入学を迷いつくした末に 北大に入学したことを知っていた知人は、息子が北大入学をどのように決断したかを教えてほしいという相談の電話だった。
長い電話になった。
息子さんが迷っている理由は何か?
一番の理由は、プライド!
京大、東大狙いの子にとっては 他の旧帝はかすんでみえるのだ。
そして、息子さんの高校では 東大、京大受験組には実際に後期で合格した旧帝を蹴って浪人に踏み切る人がいる。
こういうことを言うと「愚かなことだ」と呆れる人が多いと思う。「バカじゃないの?」と、とても理解できない人が大半だろう。
こういう気持ちは進学校に通って 東大、京大を実際に目指したことがある人にしかわからない気持ちなのだと私は思う。
だから、こういう話は、他の人にはなかなかできない。
同じ経験をしている同類にしか相談できないのだ。
息子さんと同じく、京大理学部不合格で北大理学部後期に合格した同級生が浪人を決断したと聞いた息子さんは、自分が北大に今年入学して、来年同級生が京大に合格したら きっと悔しい気持ちになるだろうと想像したのだそうだ。
では、息子さんも浪人すれば良いのだが、なぜ迷うのか?
理由はいくつかある。
一つには、うちの長男と一緒で、初めて訪れた北大は 想像以上にキャンパスが広くて好印象だったのと、街と自然が程よく融合していて、札幌という街が魅力にあふれていたことがある。
もう一つの理由は、受験が終わった直後ということもあり、もう一年浪人する気力が湧いてこないことだ。
後者の気持ちの方が、迷う理由としては大きいと思う。
それと、高校の先輩が
「自分たちの高校の生徒は高3の秋まで部活や文化祭など勉強以外の充実した高校生活を送った分
浪人すれば何とかなると考えている生徒が多すぎる。
実際にリベンジできるとは限らないのに、そのことを知らなさ過ぎる。浪人をなめている。」
とおっしゃっていたそうで
自分も、たとえ浪人しても
京大に合格するとは限らないという不安も
息子さんに大きくのしかかっているそうだ。
また、塾の先生に相談したら
「そうして迷っている生徒で 浪人して合格したケースは見たことない。迷いがない生徒は合格できる。」
と言われてしまい、
自信を失ってしまったというのだ。
この話を聞いて、
当時の自分の長男と同じような気持ちになっている息子さんの気持ちが私には痛いほど良くわかるのだった。
けれど、一点だけ、長男と息子さんとの大きな相違点があった。
長男は、後期受験する大学は、親や担任が勧める安全圏の東京農工大学は嫌だと言って、自分の目指す農学部後期日程の中では最難関の北大に妥協することなく出願した。
しかし、友人の息子さんは、ご自身の目指す理学部の中では、後期第一志望の東北大学を避けて、親と担任の意見を取り入れて二番手の北大にしたという点だ。
これが、北大理学部でなくて東北大理学部だったら息子さんの気持ちも違っていたかもしれない。
高校数学教師を目指す知人の息子さんだ。
「高校教師は、授業中にも生徒たちの前で自分の出身大学名を結構チラつかす。
生涯、高校数学教師を続けていく上で、京大理学部出身の肩書きを背負っていくか?北大理学部出身の肩書きを背負っていくか?この違いは、本人にとっては大きいのだろう。」
と長男は言う。
つづく