三木さん主催のリーディング「みきくらのかい」の夜の部に参加してきました。


どんなものかは全くわからなかったんですけど、凄かった!!!


簡潔に説明すると、人間になりたい女と博打に人生の全てを賭けてきた男の話です。


三木さん演じるハカナは墓場の死体に赤子の魂を入れられて出来た女の人で、100日経つと人間になれるんです。
ただ、100日経つ前に女として抱かれてしまうと水になってしまうという。
見た目は女の人なんだけど、魂は赤ちゃんだから、冷たい死体を人肌で温めて、育てていかないといけないんです。


そんな女の人を育てることになったのが、えぐっさん演じる鈴次郎。
これが本当にクズ男で……

言葉遣いも汚いし、礼儀も知らない。

日々、博打でお金もなくなっていく。

そんな鈴次郎でも、冷たい身体を温めて、育ててくれた恩もあり、ハカナは鈴次郎を見放さないでいてくれるんです。

そんなことも気にもせず、博打、博打、お金を知り合いに貸してもらうように頼みに行くも、断られて、短刀で刺し、殺してしまうという。。。

過去にも母親を殺して、お金を奪ったようで……

この時点で、言葉悪いですけど、本当にクズだなと思いました。

殺してしまったら、途端にハカナに泣きつき、捨てないでくれと……

ハカナは博打から足を洗って、共に暮らして所帯を持とうって言ってくれてるのに。。。

殺したことで、その事実に怯えつつ、

「これで最後にする。このお金でどこか遠いところへ逃げて、所帯を持とう」

と、ハカナを港の方に行かせ、自分は最後の博打を打ちに行くのですが、そこでも負けて、しまいにはハカナを形にしてお金を借り、負けて、ハカナは女郎に売られてしまいます。

ハカナが人間になるまであと41日。
なんとか、身体の関係を持たずに1ヶ月を過ごすのですが、99日目にお殿様の相手をすることに……訳を話し、あと1日待ってもらおうとするも、面白そうだと抱かれそうになります。


それを浮浪していた鈴次郎が目撃し、墓場の鬼に「ハカナを助けてくれ」とお願いをしに行きますが、鬼に頼んでも無理だと断られます。

ですが、どうしてもと懇願する鈴次郎に鬼は条件を出します。


「ハカナを助ける代わりにお前が鬼になれ」と。


その条件を受け、鬼にハカナを助けてもらった鈴次郎。

久しぶりに鈴次郎に会えて喜ぶハカナですが、夜明けには鈴次郎が鬼になってしまうことを聞かされます。


夜明けを迎えるとハカナは人間に。鈴次郎は鬼に。


覚悟を決め、ハカナに今の自分の気持ちを伝えます。


「ハカナが俺を好きでいてくれたから、ハカナがいたから俺は頑張れていた。手放した後も浮かぶことはお前と過ごした日々、お前の顔、お前のことばかりだった。だから、これでいいんだ。
お前の夢を叶えてあげたい」


それに対し、ハカナも

「自分の夢は人間になりたいことだが、人間になって、鈴さん(鈴次郎)に抱いて欲しかったことだ。だから、今ここで抱いて欲しい。」

と伝えます。



ここの三木さんとえぐっさんのやり取りはもう凄すぎて、お互い涙流して、熱量のぶつけ合いでした。


最終的に2人は抱き合い、ハカナは水ではなく、花になり、鈴次郎の頭の上に花びらを落として消えていき、鈴次郎は鬼となったということです。



セリフとかは、あくまでニュアンスなので、こんなようなことを言っていたと捉えています。



上記にも書いたけど、ラストは凄すぎて、観客も泣いてるし、私も泣いてるし、三木さんもえぐっさんも泣いてるし。。。


まさか、こんなに切なくて悲しいラブストーリーだったとは……


でも、きっと悲しくなかったんだろうな。
ハカナは大好きな人に抱いてもらって、夢叶って幸せだったと思うし、鈴次郎も人間として最後に大切な人が出来、その人と結ばれたのは幸せだったんだなと感じます。
 

観れて良かった……


ここからは1人1人に対する感想を。



三木さん。

ハカナが素晴らしかった。
ハカナ以外にも、登場人物のほとんどを三木さんがやってらして、7役くらいやってたかな?

その演じ分けも凄かった。

ラストでえぐっさんを後ろから抱きしめて、ハカナの包みこむ暖かさを表現していて。

三木さんのハカナが本当にそこに生き、動いていました。

鈴次郎を好きな気持ちが存分に溢れて、伝わってきた。本当に好きで好きで大好きだっだんだなと。それを思うとこれを書いてる今もちょっと泣きそうになります……。




えぐっさん。


冒頭にも書いたけど、えぐっさんの鈴次郎、本当にクズで、良い意味でそのクズな感じがとてもよく表現されていました。

そんな中、サイコロの目だけを信じ生き続けてきて、最終的にはそのサイコロにも見放され…

でも、最後まで自分を見捨てなかったハカナの存在の大切さに気づいたのは売られた後。

自業自得だと思うけど、やっぱり悲しいよね。

ハカナが普通に暮らそうと話してくれてるのですが、「母親を殺した俺が普通の生活をできる訳ないがない」っていうんですけど、そこまで思うほど鈴次郎は辛い思いをしてきたのかなとも思います。


ラストはハカナの大切さに気づき、鬼になることと引き換えにハカナを助けて欲しいと懇願するその姿に嘘偽りはなく、個人的にはようやく、鈴次郎も大切な人を見つけたんだなと思いました。


それを涙を流しながら熱弁してくれたえぐっさん。終わった後の姿が抜け殻のようで……

それだけ魂込めて演じてくださったんだなと。

鈴次郎の他にお殿様も演じてくれたんですけど、これがまぁバカ殿だからバカに演じてくれて、笑いが起きてましたね(笑)





2人とも着物姿に初っ端おぉ!?ってなりまして……えぐっさんなんかメガネしてなくて、しかも通路の後ろから現れて。

近距離で死んだような歩くえぐっさんを拝見し出来て、ちょっと嬉しかったです(笑)


あと、2人の他に鈴を鳴らしている女の子も出てました。(鈴姫だったかな……)


あともう1つ。

えぐっさんの役、鈴次郎。

ハカナに「鈴さん」って呼ばれてるんですけど、個人的には鈴さんは別の方が浮かんでしまう瞬間がありました……すみません(笑)



夜の部だったので、アフタートークがありました。

トークの時は着物を脱ぎ、Tシャツ、ジャージ姿で出てきたお二人。えぐっさんがジャージの紐が結べてなくて、出てきて、急いで結ぶ姿を見て「お前はお殿様(劇中に出てきたバカ殿)か!www」って言われてました。


2人と「いとしの儚」の原作者の横内謙介さんも交え、3人でお話ししてくれました。

本来は舞台で役者が動いておこなうものだけど、こうやって、声だけで演じてるのを見て、改めて声の力はすごいなと思ったとお話ししてくれました。

あと、このお話、青鬼ってのが出てくるんですけど、鈴次郎が青鬼になって、自分に起きたこと、話しているということみたいです。



えぐっさんの鈴次郎については「博打で損した時の絶望感みたいなのが、とても上手だったから、博打とかやってるの?」って聞かれて、
博打について話されたり。(ちなみに博打は普段はやらないそうです)

個人的に三木さんが「50歳目前になって、声優をやってて、いいのかな?って思った時があって、ハカナに救われた」って話をされていて、それがとても印象的でした。


15分という短い時間だったので、「ここからだったのに!!!」っていうタイミングで終了のブザーが鳴ってしまったのですが、貴重なお話をありがとうございました😊




長くなってしまいましたが、最後に。


今回、観劇できて本当に良かったです。
素晴らしい物語で素晴らしいキャストで。


三木さんには、第一回公演にえぐっさんを選んでいただき、本当にありがとうございましたと伝えたいですね。

まだ、決定ではないですけど、2回、3回とやっていきたいし、出て欲しい人にお声掛けしてるみたいなので、次回も楽しみです!!



三木さん、えぐっさん、本当にありがとうございました😊



パンフ買った!!
載せられないけど、ブロマイドも買ったよ♪