「松山千春 『孤独な心』に思うこと～松山千春 全作品解説203～」S2822
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◇更新履歴
V1.0：2015.2.6 初稿
V1.1：2024.3.6 各項目の追加、追記
■ 「孤独な心」 編曲者：飛澤宏元
1989年4月25日発売のアルバム『STANCE』のLP B面の4曲目（CD 9曲目/全10曲）
※ 直近の演奏実績
・松山千春コンサート・ツアー1990春
◆所有収録アナログ・アルバム
◆所有収録ミュージックテープ・アルバム
◆所有収録CD・アルバム
◆2015.2.6 夢野旅人
おそらく、アルバム『STANCE』 を購入したのは、発売日の前日である1989年4月24日の月曜日。
ジャケット写真に胸躍らせながら、五反田の寿司屋のカウンターで封を開いた。
「愛に近づいて」「マイ・ラブ」「唄」「孤独な心」。
1989年4月2日からスタートしていたツアーで、まだ演奏していなかった曲の歌詞を追った。その後、彼女の部屋で聴いたはずなのに記憶に残っていない。
多分、その4曲は、当時の自分には響かなかったのだろう。
特に、アジアンテイストというか異国情緒を感じる「孤独な心」と「唄」の歌い方には違和感を覚えた。
「麗 -Rei-」 も、当時、楽曲の違和感を感じて、かなりの時間、好きになれなかった。現在は逆に、それらの曲が新鮮に奥深くきこえる。
「孤独な心」。
イレギュラーでの弾き語りはあったものの、フルバンドでの初演は1990年春の本編後半。
「眠れない」→「孤独な心」⇔「提唱」→「あなたが僕を捜す時」の順で歌われている。
当時、「孤独な心」があまり好きではなかったこと。
そして、二部のテーマ（「座って半畳 寝て一畳」自分の身の丈に合った分相応の生き方をすべき）と千春の話術に隠れて、当時、気が付かなかったことがある。
「眠れない」
～♪一日がなんとなく 過ぎていく あとは
眠れない 眠れない 暗い夜 過ごす
とても怖い とても苦しい～
「提唱」
～♪ひずんだ心に ゆがんだ夢を
きれいに描いて すませていたら
自分自身に いや気がさして
生きる事にも くだびれた～
そして、この「孤独な心」
～不安な夜が過ぎてゆくのを 見送るだけ
孤独な心なぐさめるのは ため息だけ～
本編ラストの「あなたが僕を捜す時」までに、日々に怯え、人生に苦悩し葛藤している歌が3曲、並べられている。
そのことに、改めて気付いた。
いくら金や物質的なものを手にしたとしても、心や、自分を見失ってしまったら元も子もないだろう。
そんなメッセージを伝えたいために、これらの曲は置かれている。
そのことを、当時は深く考えずになんとなく聴いていた気がする。千春のパフォーマンばかりに目が行き過ぎていた。
と一昨日、90年春のセットリストを眺めながら、この曲を聴いて、そう思ったのです。
◆歌詞、オフィシャル動画・音源
この街に夢を 見た日は はるかな 思い出の中にある
今は流されることにも少しの ためらう気持ちもない
このまま夜が過ぎてゆくのを 見送るだけ
孤独な心なぐさめるのは ため息だけ
この街に夢を 見た日は はるかな 思い出の中にある
身体の芯まで 疲れ たちむかう 勇気も なくしている
そのうち誰かが 何かが この世を 変えてくれるのを待つ
不安な夜が過ぎてゆくのを 見送るだけ
孤独な心なぐさめるのは ため息だけ
不安な夜が過ぎてゆくのを 見送るだけ
孤独な心 なぐさめるのは ため息だけ
この街に夢を 見た日は はるかな 思い出の中にある
いつからこんなに 情けないことを 考えているのかな
◇松山千春 2024.4.3リリース「友よ」
◆E. 松山千春全作品に思うこと～松山千春全作品解説5～1988-1989
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