「松山千春 『限りある命』に思うこと~松山千春 全作品解説273~」S2697
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◇更新履歴
V1.0:2015.06.05 初稿
V1.1:2016.12.26 ツアー中、アメンバー限定で公開した記事を掲載
V1.2:2019.10.25 最新エディタにて記事を作成し旧記事と差し替えおよび所有のアルバム画像、歌詞を掲載
V1.3:2022.12.25 追記及びオフィシャル動画・音源をリンク
V1.5:2023.05.22 是正
V1.6:2024.05.13 追記
■ 「限りある命」編曲者:大原茂人
1981年5月21日発売のアルバム『時代をこえて』のLP B面4曲目(CD 9曲目/全10曲)
◆レコーディングミュージシャン(アルバム全体のクレジット)
01. ギター(EG): 松原正樹
02. ギター(AG): 笛吹利明、松本喜代志
03. ベース: 長岡道夫
04. ドラム: 島村英二
05. キーボード: 大原茂人
06. パーカッション:ラリー寿永
07. トランペット:数原晋
08. ホルン:長岡慎、山城雅之
09. フルート:衛藤幸雄、相馬充
10. スティール・ギター:尾崎孝
11. サックス :斉藤清
12. トロンボーン :新井英治
13. オーボエ :坂宏之
14. ハーモニカ :八木のぶお
15. マリンバ :金山功
16. アルトサックス、クラリネット:ジェイクH・コンセプシオン (Jake H.Concepcion)
17. ストリングス:JOE アンサンブル
18. バッキング・ヴォーカル:Vennette Glound、Maxine Willard、Steffanie Sprvill
◆所有収録CD・アルバム
◆所有収録アナログ・アルバム
◆2024.5.13 夢野旅人
2024年5月12日放送の「松山千春ON THE RADIO」。
母の日の放送とあって、3年前、99歳で亡くなられた母・松山ミヨさんとの思い出を語り、CM後、番組のラストに「限りある命」がかかりました。
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今日も、こうしてラジオ聴いて頂いて、ありがとうございました。自分は15日、水曜日、仙台サンプラザホール。そして
17日が金曜日、八戸市公会堂。
コンサートへ行って参ります。
先週、先々週か。
あのぅ「真っ直ぐ」にっていう曲を聴いてな、「ああ、こういう歌も歌うんだ」みたいなことを言われたんだけど。
俺、結構スケールの大きい曲はですね、いっぱいあるんですよ。なかなかラジオでね、お聴かせすることが出来ないのが残念ですけどね。
では、今回はスケールの大きい、他の歌手では歌えられないような恋愛の曲でな、締めたいと思いますんで。
これ、自分自身でも体調がな、いいときじゃないとなかなか歌うことが出来ないな、と思うんだけど。
自分で聴いても「ああ、若いうちにこんなスケールのでかい曲が作れてよかったなあ」と思う。
これ「限りある命」って言うんだけど。普通はな、「限りない」とかな、そういうこと言うんだけど、俺はもう自信持って、命に限りあると思っているからな。
だからこそ、毎日毎日、真剣に頑張って歌っていきたいと思っています。ありがとうございました。
松山千春「限りある命」。
◆2022.12.25 夢野旅人
2022年12月25日放送の「松山千春ON THE RADIO」。コンサートツアーも全公演終了し、秋のコンサートで、仙台公演から14ヵ所で、本編一部ラストで歌われた「限りある命」が2曲目にかかりました。
◆ 夢野旅人 2016.10.12
2016年秋、ツアーの初日のアンコールラスト。
19年ぶりに「限りある命」が歌われた。
この曲がツアーで歌われたのは過去3回。
1981年春の「時代をこえて」と、1984年秋「愛を贈る」本編でレギュラー、1997年秋の「俺の人生'97」でツアー前半にアンコールでイレギュラーで歌われた。
1981年はこの曲から「長い夜」に繋げて熱狂の坩堝で本編が終了した。
音源は日比谷野外音楽堂のライブ盤で残っている。
~お願い僕の長い道には花が咲いてるの 教えてほしい愛は優しく吹いているの~
1984年は、貧乏だった幼少期を振り返りって未発表曲の「道」に続けて歌われた。
音源は、ラジオ(FM東京)で東京初日のテイクがO.Aされた(「道」はカット)。
鮮明に記憶に残っているのが東京厚生年金会館3daysの最終日。
MCから千春は泣き崩れた。
「道」も、「限りある命」も歌い始めは涙声で絶唱の中で本編の幕が下りた。
その後、歌われることがなかったが、97年秋の初日・綾瀬で13年ぶりに歌われ、2本目の千葉でも歌われた。
2本目の千葉。
アンコール。
「限りある命」を歌うと云って、この歌はリリースしたときぐらいしか歌ってこなかった。
よほど体調が良くて気力があるときではないと歌えない。
キーが高いということもあるが、気持ちで歌うから。
ほかにいい曲を書く人間はたくさんいるが、この歌は、俺にしか歌うことができない(要約)。
といって歌った。
歌い終わったとき。
立って聴いていた観客の拍手が止まらなかった。
スタンディグオベーションさながらだった。
97年秋のツアーは全41公演。
しかし、この歌が歌われたのは9月の10公演のうちの数回。
風邪や喉の炎症などのトラブル見舞われ、10月以降歌われていない。
最後に歌われたのは、9月30日の神戸公演と記憶する。
それから歌われていなかった。
35周年の2012年。
ベストアルバム『松山千春の世界』をリリースして、ラジオでこの曲を流す際。
この曲が出来上がったとき。
いつか、こういった曲を歌ってみたかった、こんな楽曲ができてよかったと思った。
と千春は云った。
歌うべき時期でないと、または歌いたくない歌は歌わない千春。
だが自身が好きな曲で歌わないのは稀有。
それだけこの歌は、自分たちの想像以上に、気力を必要とするのだろう。
もうステージで聴くことはないと漠然と思っていた。
初日の府中。
19年ぶりにイントロがきこえた瞬間。
それだけで十分とさえ思った。
80年代の20代の千春と60歳の千春。
当たり前だが歌い方も、質感も違う。
だけどライトに照らされ、この曲を歌っている千春に、
日比谷野音で、東京厚生年金会館で絶唱する若き日の千春が瞳に映って重なった。
声が出ているとか、質感だとか、どうでもよく感じた。
自分にとって、初日のハイライトはこの歌、その瞬間でした。
翌日、ライブ盤の日比谷野音の音源をきいた。
聴き入って感涙し、むせび泣きした。
スタジオ録音も聴き、1984年ラジオの音源もきいた。
97年の千葉の当時のリポートを読みながら、
小一時間くらい繰り返し聴いた。
デビューから40年。
変わらない千春がいる。
いつも千春は我々に云う。
輝きを止めずに、自分らしく生きてください。
松山千春は自分らしく、松山千春でずっとあり続けている。
初日に20代の千春と、60歳の千春が、オーバーラップしたのも、CDを聴きながら咽び泣きしたのも、そのことに、身体が無意識のうちに反応したのだろう。
正直、自分が求めていた「限りある命」とは別物だったが、20年前の自分だったら、絶対、思わない、云えなかったと思うが、19年ぶりにきいた「限りある命」は絶品でした。
◆2015.6.5 夢野旅人
2015年5月28日 東京2日目のアンコール。
客のリクエストに応えて8年ぶり(その間、イレギュラーで数回だけ歌われている)に「窓」をフルバンドで聴くことのできた唄があった。
サビは上げきったところで、持続させてのリフレイン。
難易度の高い曲を千春は歌い切った。
前回、聴いたのが2007年春。
メンバーが大幅に入れ替わり5人編成のツアー「自壊」だった。
ツアーで、その曲がフルバンドで演奏されるのは初めてだった。
イントロをきいた瞬間、期待は高まった。
たけど、残念ながらスケール感にかけるチープな印象しか残らなかった。
だが、先日の東京公演。
歌声やスケール感、アレンジすべてが8年前の演奏を凌駕していた。
これだったら「限りある命」も、歌えるのでなないか。
そう思った。
81年春、84年秋。
これまで2度、ツアーにおいてレギュラーで歌われている。
81年は本編ラストの「長い夜」の前に、84年秋は本編ラスト。
ツアーテーマの核をなしていた。
97年の秋。
ツアーの前半、アンコールの合間に歌われていたが、風邪等で喉の調子が芳しくなくなったころからメニューから消えた。
よく「純-愛する者たちへ-」で、声を張り上げる高音を出すのは簡単。
細く高く出すのが難しいというけれど、高音の音符が並び続ける「限りある命」や、「私の明日には」、「夜」などは、どう考えても難易度が高い。
過去、完璧に歌い切った「限りある命」を僕は知らない。
80年代後半、FM東京でオンエアされた音源をききながら、千春ならもっと上手く歌えるはず。
そう思っていた。
だが、1997年に久しぶりにこの曲をきいたとき。
もしもこの曲をパーフェクトに歌えるチャンスがあったのは、身動きができなくなるほどの「炎」と「ひとりじめ」を歌った1987年だったのではないか。
そう考えるようになっていた。
そして、千春も今年60歳。
何年も前から、心の奥底で思っていた。
(待ち望んではいるものの)
「限りある命」を自ら、本気で求めるのは止めようと。
しかし、冒頭の曲の歌いっぷりを目の当たりにして、期待が再燃しそうです。
35周年、記念ベストアルバム『松山千春の世界』をリリースした2012年。
2月26日のラジオ「松山千春 ON THE RADIO」で、この曲を流す際。
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この曲が出来上がったとき。
いつか、こういった曲を歌ってみたかった、こんな楽曲ができてよかったと思った。
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そう、感慨というよりも、素直な口調で語ったことが印象的だった。
~この愛は貴方だけ 限りある命
青春を流れゆく 時にあずけようと~
56歳(当時)の千春にとって、31年前のこの歌は役目を果たした過去のものではないか。
そう疑念を抱いていたが、そうでもなさそうだ。
春のツアーは、すべて『松山千春の世界』の収録曲から選曲すると公言された。
久しぶりに、「限りある命」を歌うのではないか。
そう思ったが、ツアーでも十勝でも実現することはありませんでした。
この記事の後半あたりで、期待が再燃しそうと記しましたが、記憶をたどるうちに再燃してしまいました。
もう一度、「限りある命」を聴きたいです。
それにしても、この手の話をしているといつも思う。
ファンって酷なことを望むと。
余裕綽々で、笑顔で歌う千春よりも、ギリギリのところで、踏ん張って歌っている姿、歌声を求めてしまうもの。
永く歌い続けてほしいと望みながら、無理をしなければ到底、得られそうもない感動を求めている。
勝手ですよね。
それだけ期待してしまう、ポテンシャルのあるシンガーという証でもあるのですが。
たまに、自己嫌悪に陥るんですよ。
お前、求め過ぎだぞと。
でも、もう一度、渾身の「限りある命」を聴いてみたいです。
◆歌詞及びオフィシャル動画・音源をリンク
もどらない若い日を 貴方と生きる
奪いあい求めあい 重ね合う心
もう何も迷わない おびえたりしない
さしのべた指先に 貴方がいる
この愛は貴方だけ 限りある命
青春を流れゆく 時にあずけようと
悲しみが苦しみが はかなささえも
愛される喜びに つつまれてしまう
傷ついて疲れ果て 力つきようと
二度とない人生を 貴方に生きる
この愛は貴方だけ 限りある命
青春を流れゆく 時にあずけようと
この愛は貴方だけ 限りある命
青春を流れゆく 時にあずけようと
◆松山千春全作品に思うこと~全作品解説1980-1981 インデックス2
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