2014年を振り返り… | 胆道閉鎖症・乳幼児肝疾患母の会 肝ったママ’s

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胆道閉鎖症や乳幼児肝疾患の早期発見に力を入れております。
便色カードで早期発見 No more 脳出血!

 今年も残すところ、あと僅かとなりました。

 思えば今年は、まず「STAP細胞」という再生医療の新たな光か?と思わせるようなニュースから始まりましたが、残念ながら「STAP細胞」の存在は証明されなかったとの結論になりました。この件は多くの難病患者を落胆させましたが、では医学に希望はないかというとそうではないと思います。

 国内では夏に小児で初のドミノ肝移植が行われました。
▷国内初の小児ドミノ肝移植が行われました。
 去年の肝細胞移植に続いての快挙であり、難病患者には新たな光がさし込んできました。このドミノ肝移植は二つの移植施設が連携して行なったことであり、医療施設の垣根を越えて、難しいプロジェクトを成功させた医療チームとそれに携わった多くの方々連携プレーは称賛に値すると思います。

 また、今年は便色カードが収載されて二年目となります。便色カードの収載前後で、胆道閉鎖症の早期発見率がどれくらい向上したのか?あるいは葛西手術の日齢が早くなったかどうか?今、便色カード研究事業班が調査をしております。多くの方が肝ったママ経由でこの調査事業に参加してくださいました。ご協力、誠に感謝いたします。研究の結果が一日も早く発表、報告されることを期待しております。

 しかし、全国の母子手帳に便色カードが収載されたものの、悲しいことに未だに「脳内出血」などで胆道閉鎖症が発覚した赤ちゃんはおられます。便色カードを見て、親がおかしいと思い、医師にあたっても「白じゃないから大丈夫」と帰された方…、母子手帳を交付する窓口などで特に便色カードについての注意喚起もなく、経産婦で便色カードの存在をあまり気に留めなかった方…、こうしたお話を聞くと、まだまだ「胆道閉鎖症の早期発見」には課題がたくさんあると思います。

 「No more 脳出血!」「早期発見率の向上」、これが2015年に続く私たちの啓発活動の課題だと思っております。

 肝ったママは、2012年に母子手帳に便色カードが収載されたことで、今までの啓発活動のほかにも、「患者との交流」「胆道閉鎖症の認知度の向上」「病気の知識や治療についての情報」に力をいれてきました。サイトをリニューアルし、今までの「早期発見」だけではない部分にも力を入れました。
 ミクシィでのコミュニティとリンクし、同じ病気の方々が24時間いつでも「質問」したり、「不安」を吐露したりする場があることをサイトを通じて、広くしってもらうように働きかけました。一人かもしれないけど、「独り」ではない。同じ病院に同じ病気の方がいなくても、同じ経験や思いをした人たちがいる場所がある…そういう場があることで、「孤独」な闘いではなく、お互いが励まし合っていけることを願いました。
 そして、サイト内に「情報ライブラリ」を新たにもうけました。「体験談」「患者ブログ」などを集めることによって、自分だけではない、色んな方の色んな体験や、現在進行形の日々の生活を分かち合いました。また「生活いろいろQ&A」や「お役立ち情報」で、患児を抱えて過ごす生活で出会う悩みなどにアドバイスが提供できるようになりました。「医療ニュース」や「学術情報」では、今どんな医療があるのか、これからどんな新しい治療が始まりそうなのかをデータベースとして蓄積し始めました。
 少しでも初期のころの「何がわからないのかもわからない」状態による不安をほぐそうと、医師や看護師から聞く難解な「医療用語」を集め、解説しました。
 これから赤ちゃんを産む妊婦さんや、便色カードで検索に来た方だけでなく、病気がわかったご家族の方々にも寄り添えるサイトを目指しました。
 体験談や患者ブログがあることで、「病気がわかっても、移植しても元気にしている」ことをわかる。病気がわかって日々の生活に不安を持っているけど、「色んな人が色んな方法で解決したり、生活しやすいように工夫している」ことがわかる。未来に向けてどうなるか、今どんな治療法があるのか気になった時に「データベース」がある。そんなサイトを目指しています。

 また今、ようやく「移行期(トランジション)」についても、小児科で注目され始めました。小児外科医・小児科医・移植外科医などでこの問題について、いろいろな動きがあります。しかし、医師や病院側だけが動いても「移行期」はスムーズには行きません。患者側の勉強・準備も大切です。小児疾患は、特に「保護者」の勉強や準備、心構えも必要です。子どもが移行期に入り、成人の診療科へ移行する前から、私たち親は「移行準備期」に入らないといけないとおもいます。生まれた時から患った病気をどう子どもに説明するのか、移植などを経ている子にはどのように治療を説明するのか、子ども自身と主治医のコミュニケーションはいつから?どこから?自分の身体で注意すること、薬を飲むことの大切さ、たくさん子どもに伝えなければならないことがあります。時には親同士が集まって「勉強会」みたいな意見交換も必要になってくるかもしれません。
 2015年は私たちのサイトやFacebookページでも、移行期(トランジション)について考えていきたいと思っております。

 便色カードが収載され、来年は三年目。「便色カード4番の重要性」「胆道閉鎖症は白い便だけじゃない」など、今まで強調してきたことはこれからも訴え続けていきます。そして広く多くの医療従事者に知ってもらい、早期発見率の向上を目指したいと思います。来年こそは「No more 脳出血!」
 
 今年も肝ったママの活動にご理解・ご協力ありがとうございました。
来年も引き続きよろしくお願い申し上げます。