空へ | mother of pearls

mother of pearls

将来はタヒチで真珠を作って
viva 豪遊!

今日はあなたの誕生日。

12歳を向かえる予定だった今日。

いつものように、しっぽを力いっぱい振って「おかえり!」って言ってくれる、あなたがいないことが寂しいよ。

11月6日16時20分

眠るように逝ってしまったあなたを

見送ることができて

良かったって

やっと思えるようになってきたよ。

最後の力を振り絞って、みんなが見える場所に移動したんだよね?
一番大好きだったお母さんには、一番綺麗な姿でお迎えしたかったから、お母さんが仕事中の時間を、最期のときに選んだんだよね?

私はあなたが最期に、

大きく大きく

この家の匂いや、

この世界の匂いを吸い込んで

大きな大きな深呼吸をして眠ったことを知ってるよ。

でも、
お母さんが仕事から帰ってきたら
起き上がるんじゃないかって信じてた。
いくらお母さんが呼んでも起きなかったんだ。

もう疲れちゃったんだね。
爆弾のような心臓を抱えて、しんどかったよね。
だんだん腹水も溜まってきて、辛かったよね。
動物が言葉が話せないことを憎んだよ、本当に。

あなたと一緒に過ごした最期の朝。
曇っていた空から、
あなたにすーっと天使の梯子がかかったとき、
あぁ、いま、のんちゃんは旅立ったんだ
って、みんなが思ったの。

のんちゃん。

もう
元気よく走り回るあなたに、
はちきれそうなくらいしっぽを振るあなたに、
ゴミ箱を漁って怒られるあなたに、
前足にちょこんって顔を乗せるあなたに、
おなかを撫でてってごろんと寝そべるあなたに、
長い爪でフローリングをカツカツいわせながら歩くあなたに、

会えないことがやっぱり寂しいよ。

もう虹の橋にはたどり着きましたか?
もうどこも辛いところはないよね?
いっぱいいっぱい走り回っているよね?

家族は最初は泣いてばかりだったけど、
今は、みんながのんちゃんのことを大切に思ってくれることが分かって
寂しいけど幸せだねって笑えるよ。

みんながまた一緒に
虹の橋を渡れるまたその日まで。
待っててね。約束だからね。