『法学セミナー8月号』 | 大江ゆかりのブログ

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平成24年度新司法試験再現答案。
私は『とめはねっ!』に出てくる鈴里高校書道部唯一の男子部員、帰国子女です。
第14巻(最終巻)は平成27年5月29日発売!

『法学セミナー8月号』 日本評論社。


おおむね穏当な解説(以下「解説」という。)だと思われました。

そこで、あらためて自分の答案も思いをめぐらしてみると・・・


【憲法】

訴訟選択は、4号請求で、村長に、寺に対する不当利得返還又は損害賠償の請求をすることを求めることを適当としています。

じぶんは、村長に、村長個人に対する損害賠償の請求をすることを求める請求も書きました。村長個人の資力により実効性は左右されますが、請求の原始的併合により、訴訟物をたくさん立てておくことはありえます。

規範は、目的効果基準でも空知太でもレーモン・テストでもいいようです。

空知太の場合、開拓民たちが心の拠り所としていたのに対し、A寺はほんらい純然たる宗教的施設であるという解説は参考になります。

解説は、去年までより適切な出題と考えています。

憲法は、自分の中では書けた科目と改めて思えました。


【行政法】

設問1では、直近下級審ではなく、ローで必ず扱ったであろう重要判例の問題意識からの出題を適切としています。

処分性は否定し、計画無効確認の実質的当事者訴訟へ導くのがよいようです。

同判例は、出たばかりのころ、防衛省近くの学校の面接で話題となりました。面接官の1人は、直後に刑訴の旧司試験委員になり、もう1人は分かりません。

いま面接時の音源を聞き返しても、大した話はしていません。

「志望動機は、ステイツメントに書いてあるとおり・・・」と前置きして語ったのは、ステメン事前検討を面接官に強要する不適切な発言だ、とあとで音源を聞いた人にいわれました。

設問2は、裁量の有無、広狭。書けたと思います。

設問3は、結論はどっちでもいいだろう、それなら救済を認める方へと考え、損失補償を肯定しました。

しかし、あっさり否定したほうがよかったようです。

本番心理で冷静な判断を失ってしまいました。


【刑法】

業横2つを文書偽造をかすがいに科刑上一罪・牽連犯処理しています。解説さすがです。

詐欺は認めたほうがよかった。少なくとも触れたほうがよかった。

乙は、業横の共同正犯にしています。65条が問題となります。教唆にすると、盗品等罪が出てきます。

刑法は、詐欺落とし以外は、書けたと思います。

解説は、分量についても、甲乙2人でも、成立する犯罪が多くなると罪数処理がむずかしくなることを指摘しています。


【刑訴法】

自分の答案については、あるべき答案例の1つのパターンを示せたと思っています。

解説を読んで、あらためてそう思えました。


【商法】

石山卓磨『事例演習 会社法』2012・7、法学書院

H24も含め、新司過去問の解答例が載っています。