設計図を描くのに、最近は三次元(3D)キャドで書くことができます。
三次元データなら基準線や基準面がなくても製図できます。
そしてその3Dキャドデータを加工機械にLANで転送すると、パターでもクラブでも、ドリルやチップで削り出すことができます。そういう意味では、冶具さえあれば量産がかなり簡単になりました。
さらに進んで3Dプリンターで積載して物を作ることさえもできます。
鉄素材も積載することができるので、サンプルパターやドライバーを作ることも可能です。
時間がかかるんでめちゃくちゃ個当たりの値段が高価ですが。。。。
初期のころはイメージ図+さまざまな数値を入れるだけの加工指示書だけで作っていました。
クラブヘッドには直線が無いので、基準面、基準線というものが存在しないのです。
従って、二次元では図面が描けなかったのです。。
これはキャメロンさんのHPにある、キャメロンさんの手書きのツアーパターの作業指示書です。もの作り的には、ぜんぜん図面じゃないですよね。。(笑)
まさにイメージ図+加工寸法指示書です。
10年前に姫路の市川町に出向いて、ウイルソンとかゲージデザインのアイアンをOEMしていた会社にいき、完全オーダーメードのアイアンを作りました。昔は鍛造ヘッドは姫路市川(オープン型熱間鍛造)が多いのですが、今は新潟epon(精密冷間鍛造)が多いですね。研摩代の少ない精密鍛造が主流になっています。
もちろん姫路もまだありますけど。
自社で鍛造設備を持つ三浦はOEMを止めたし。。
しかも遠藤eponは、人件費の安いタイで9割方鍛造、研磨しています。
BS、ヤマハはタイ製の鍛造購買です。
モデルにより、日本だったり、中国だったり、タイだったりケースバイケースです。
ミズノも完全自社ではないですよ。ミズノは岡山の中小下請けで鍛造です。
メッキも外注でしょうし。。MP系塗装は社内と外注です。
メーカーと言うのは、部品を集めて組立てるのがメーカーです。
例えばトヨタも、下請け3万社に部品を発注し、少しでも安く、それなりに良いモノを集めてラインで組立てるのがトヨタの仕事です。
ハンドルネームの gear66の刻印が入っています。
しかしそこでも図面は無く、作業指示書だけを作るのです。この下が其の時の打ち合わせ内容です。私は鉄の専業者ですからかなり細かく指示を入れ丸二日かかりました。
1)どの鍛造サンプルヘッドを使うか?
2)どの位置に削りを入れるか?
3)どのぐらいのヘッド単体重量にするか?
4)ライ角は何度にするか?
5)ロフトは何度にするか?
6)下地銅メッキは何層にするか?
7)仕上げニッケルメッキは何色にするか?
8)シャフトは何を付けるか?
9)グリップは何を付けるか?
10)ヘッドバランスはいくつにするか?
11)刻印は何を入れるか?名前を入れるか?
(自宅のグリップとリシャフト用ソケット)
(ライ角、ロフト角調整機でネック調整)
汎用ヘッドと、オリジナル 同じ鍛造からですが削りが全く違います。