1年以上前に書きかけた記事を仕上げたものです。

読む人によっては過激に感じる内容かもしれないので、このまま下書きに置いておこうかとも思ったのですが、この記事に込められた気持ちは、成仏させられそうにないので、公開します。公開したところで成仏しないと思いますが…


性別を記載する欄をなくした履歴書が発売されるというニュースをキッカケに、夫と口論になりました。私はかなりヒートアップしてしまい、夫は夫で、私に「そのとおりだね」と言わせようと言い募ってくるので、あみが自室から出てきて「喧嘩しないで!もうやめて!『興奮しないでください!』って検索したら出てくるよ!」と仲裁に入ったので、モヤモヤしたまま口論が終わりました。

2017年に待機児童のことで、民進党の山尾議員から何年までに待機児童ゼロを目指すのかわかっていないと強い口調で迫られて発した言葉です。Tiktokで流行っていたとか。

https://youtu.be/oOvz7giupMQ

あみは内容に関しては意識せずに持ち出した例だったのですが、仕事をするために必要なサポートや理解を求める側と、そのサポートや理解がなくても困らない立場にいるために、その必要性がわからずに自分の考えがそのまま通るのがあたりまえと思える側との対立という意味で、ピッタリしていてちょっと笑えました。

その履歴書についての私の感想は、
「この履歴書がきちんと機能して男女の区別なく能力だけで採用が決まる社会であるべき。でも、現状では表向き男女差別がないことになっていても実際は女性は落とす会社も多いから、そういう会社へ入社試験を受けに行くことになったら、その女性は無駄骨をなるよね」
というものです。

それに対して夫は、大きくうなずきました。ただ、私が言うのとはニュアンスが違います。夫の場合、無駄骨なのは企業のほうだと思っているのです。現状の日本社会では、それが現実です。

確かにそうなんだけど、無駄骨はお互い様。

「うちの会社にもいてさー。産休取って育休で休みを延ばして復職予定の3ヶ月前に今後どうするか相談する電話を”こっちから”かけたんだけどー」

「少し時間をくださいって言って、その月の終わりに電話してきて『実は2人めができて8ヶ月後に生まれるので辞めたい』って言うんだよねー。言うのが遅いよね。こっちからかける前にかけてこないと」

「そういう人がいると、みんなそう(女性はみんないい加減)ってことになっちゃうよね?」

同意を求めないでほしいです。

そして、一般社員の権限しか与えられていないのに、まるで経営側のような口振りに、呆れてしまいました。

あみが一日中15分ずつくらいしか眠らず、起きている間は私がそばにいなくなるとギャン泣きし続け、夫が22時頃に帰ってくるまで毎日ヘトヘトになっていた時、週に1度でもいいから早く帰ってほしいと頼むと、
「仕事辞めろってこと?住宅ローンはどうするの?『"社会"がそういうことができるようになってないから無理』」
と言いましたが、私が既婚女性が働けるのはパートばかりなのはなんとかならないものかと言う話をした時は、
「社会のせいにするな!」
と言ったのに、ものすごいダブルスタンダード。二枚舌。

8ヶ月後(まだ8週くらい?)の出産について、それ以上早く家族以外に報告できるとは、私には思えません。私が妊娠した時も、医師には3ヶ月くらいまでは同居家族以外には報告しないほうがいいと言われました。私の場合は超高齢出産だったこともありますが、それまでの間は流産も少なくないからということでした。また、流産はどの時期であれ、母体の問題や行動で起こることは少なく、赤ちゃんの都合であることが多いということも聞きました。

それに、無事、8ヶ月後に生まれたとして、その子がまったくの健康体で、何も支援を必要としない子であるという保証などなく、その時点でまた育休を延ばしたり、(もしあれば)看護休暇などが必要になるかもしれません。

会社は、個人事業主とは違うのですから、誰かが一人欠けたらすぐ仕事が回らなくなるような体制で動くのは間違っていると私は考えます。社員全員でカバーし合っていくような仕組み作りが必要です。

もちろん、夫婦でも相談し合って“お互いに“譲り合う必要があります。

それは、女性のためだけではありません。

男性も、入社してから定年退職するまで、なんの問題もなく務めあげられるとは限りません。
交通事故に逢うかもしれませんし、
階段から転げ落ちるかもしれませんし、
長期入院が必要な病気になるかもしれませんし、
男性自身が介護する側になることだって考えられます。
こういったことは、出産育児以上に、無計画に突然、起こりますが、何故か問題にはなりません。とても不思議です。

ただ、シングルファーザーになった場合の会社からの扱いは、女性とあまり変わらないかもしれませんし、もしかしたら社会保障面では女性以上にシビア(改善されてきてはいるようです)かもしれませんが。

「そういうことを想定して人員を確保していたら経営が成り立たない」
「中小企業だったら潰れる」
みたいな言説が聞こえそうですが、それはとてもおかしな話だと思います。会社を守るために犠牲を払うのは、会社が産み出す利益(や損失)を分配する権力がある人々であって、そういう権力を持たない一般社員に皺寄せしたり、調整弁に使うのは間違っていると思います。

更には、会社の上に立つ人であっても、上にあげたような(会社にとっての)トラブルに逢うかもしれないので、そのための救済策も必要です。

社長を含め経営陣をそっくり入れ替えられたりすることもあるので、一つ一つの会社だけでなんとかできることではないこともわかります。

まだまだ、時間はかかるでしょうが、社会全体、会社全体で助け合って行ける世の中になっていけばいいなぁ、そうすれば、男性も女性も安心して働いたり生活したりできるのに、と思うのです。

そして、夫一人、納得させられない自分も歯がゆく思います。

もう一つ、若い頃、時代のせいとはいえ、仕事を手放してしまったことを、とても後悔しています。