上越市議会通年広域観光推進特別委員会視察 長浜市黒壁スクエア | 地方都市は死なず! 滝沢いっせい ブログ爽創通信  *09016693890*kpissey@rf6.so-net.ne.jp*

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上越市議会議員滝沢一成のブログです! 日々感じたこと、考えたことを、できるだけ素直に書いてゆきます。
滝沢一成のテーマは「雪」「老い」「貧困」、これらを追及します。

20230202通年広域観光推進特別委員会視察
委員会に所感を提出しました。同じものをこちらにあげます。

 滋賀県長浜市黒壁スクエア
『黒壁が牽引したまちづくり30年の歩み』



視察は3年ぶりでした。

30年という時をかけて育て上げられた黒壁スクエアの本物感は半端ないものでした。

一言で言えば成功例なのでしょう。
その成功したカタチを見て、良いなあ、素晴らしいなあと感嘆していても仕方ありません。
ここが、我々の街と同じように寂しく閑散としていたところからどのように今に至ったのか、その歩みを探らなければならないでしょう。

過去の黒壁スクエア地区は、いまの我々の街。端的にいえば、上越市の旧商店街の代表、高田本町のいまです。
彼我の差=「あちらにあって、こちらにないもの」を考えることは、黒壁スクエアの過去からの挑戦を見ることになります。

黒壁スクエアにあって我々にないものを考察しましょう。

まずひとつ目は、民間の投資する底力。
やはり民間がベンチャー(挑戦)的に資金を投下する覚悟と資力がないと始まらない、それがこのまちにはあったということかと思います。

上越市にはそうした例は無かったかといえば、実はあります。それはウィングマーケットのパティオです。民間が金を出し合い、富岡地区の何も無かった所に当時日本初の郊外型モールを築きました。今でも新たな展開を図っておりその力強い歩みは賞賛されて然るべきと思います。

ただ、惜しむらくは、寂れゆく旧商店街を離れ、郊外に展開したことです。
黒壁スクエアのように旧商店街で展開できていれば、本町の姿はかわったものになっていたかもしれません。

あちらにあってこちらに無いもの、そのふたつ目は、核となる施設の存在です。黒壁ガラス館は、黒壁の名の由来となる建物で、旧地方銀行本店でした。圧倒的な存在感があります。
30年前この建物からリノベーションが始まり、いまや60を超える黒壁を意匠に取り入れた建物が並んでいます。

ではそうした核となりえる建物は、高田には無いのかと言えば、これも実はあります。
本町3丁目の高田まちかど交流館と本町6丁目の高田世界館です。しかしいずれも観光の核と言える状態ではありません。

高田まちかど交流館の外観また内観は、黒壁スクエアに勝るとも劣らない質感があると思います。しかし決定的に足りないことがあります。そこに立ち寄る理由が無いのです。



黒壁ガラス館は、30年前にゼロから立ち上げた新たな特産品、ガラス工芸品等を売る物産館となっており、観光客は必ずここに立ち寄ります。
高田のまちかど交流館は、見学だけです。それで観光客を呼べるでしょうか。まさに黒壁と同じように、お店にすべきです。

高田世界館は、いまの在り方を全うすることが最善かと思います。素晴らしい存在です。ただひとつ私観を申し上げるなら、現在広場となっている所の利用をさらに図ることが必要かと思います。
イベントやバザールなどを常態化するなどです。そうすることで、映画のお客さん以外の人々を吸引することができるでしょう。

みっつ目は、路地あるいは迷宮の存在。散策して楽しい街は、次から次へと新たな景色が現れ、店が出現し、思いがけない出会いがある立体的な街です。黒壁スクエアはまさにそういう街でした。
長野県飯田市や兵庫県丹波篠山市、佐賀県豊後高田市など多くのまちもそうした路地あるいは迷宮が魅力的でした。

翻って高田の旧商店街には路地はありません。辻はあるが、路地は無い。曲がったところに店がほぼ無いからです。
無いものねだりはできませんから、今の街のつくりの中でなんとかしなくてはなりません。

私の一アイデアですが、こうなれば、路地に替わる立体的なまちづくりをすると良いと考えます。それは、上に伸びるショッピングビル、ではありません。
クネクネ散策できる公園をつくり、そこにキッチンカーやワゴンショップ、屋台を常態で展開するのです。

公園ってどこの?今はありません。
本町3.4.5丁目の本町通りをなくして!公園通りにするのです。クルマは、東西の道を整備してそこを走らせれば良いでしょう。

これくらい思い切った事をやらなければ、旧商店街が再生することは望めない、と言ったら言い過ぎでしょうか。

いま書いた「思い切ってやる」という進取の気性も欲しいものの一つ、と書いてこのレポート(視察所感)を終わりにします。