さや侍 | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

さや侍

80点
『大日本人』『しんぼる』に続く松本人志監督作品。3本とも全く違うアプローチなのがまず凄い。
脱藩の罪で捕まった情けない侍が、母を亡くした悲しみで笑わなくなった若君を1ヶ月以内に笑わすという「30日の業」に挑戦する展開。
主演は松本が深夜番組『働くおっさん劇場』で見つけた素人のオッサン。序盤は彼の一発ギャグがデンポよく飛び出し、その天然ぶりがかなり面白い。
ややワンパターンで中盤飽きるものの、後半は若君の心を掴むため必死になる主人公、そしてその娘の姿を徐々に真正面から描いている。果たしてオッサン侍は若君を笑わす事ができたのか?
今回は終盤にシリアス路線を持ってきた構成。映画としての常識を打ち破った前2作と違って本作は非常にオーソドックス。ダメ親父と娘の絆もストレートに表現されており、素直に感動できるクオリティの高い作品になっている。ダウンタウン松本の映画って評価低いけど、先入観なしに見てほしい。
主演のオッサンがどうも自分の未来の姿に重ね合わせて見えて号泣(笑)

監督:松本人志
出演:野見隆明、熊田聖亜、板尾創路、柄本時生、伊武雅刀、國村隼、りょう、ROLLY、竹原和生
2011年  103分

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