レ・ミゼラブル | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

レ・ミゼラブル

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もともとは1862年のフランス小説。1980年に初舞台化されて以降、世界中でロングラン公演が続いている名作を今回完全映画化。
1本のパンを盗んだだけで19年間投獄されたジャン・ヴァルジャンの仮釈放されてからの人生を、激動の革命と重ね合わせて描く。
セリフは95%くらいが歌で占められている。もうコテコテのミュージカルなので苦手な人が入る隙は全くない。
ただその音楽にしても、心を打つような美しいタイプとはまた違う。例えば『マンマ・ミーア』のように既存の大ヒット曲を並べるわけでもなく、単に日常会話で適当にメロディつけて歌ってるだけのように聴こえる。
映画1本を1つの曲として表現したとしても、じゃあお腹が減ったとかご機嫌いかがとか、そういうどうでもいい事まで歌ってる事にどういう意味があるのか?
「ミュージカルとはそういうもの」では納得できない根本的な疑問が、物語の中で常についてまわる。
少なくとも戦乱の世を表現したり、個々の心情を吐露させるための手段だとしたら、舞台ならまだわかるけど、映画に限って言えば歌は邪魔なように感じた。
この映画がいいとか悪いとか以前に、なぜ?どうしてそこで歌うの?それがさっぱりわからない。

監督:トム・フーパー
出演:ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・サイフリッド、エディ・レッドメイン、サシャ・バロン・コーエン、ヘレナ・ボナム=カーター、アーロン・トヴェイト
2012年  158分
原題:Les Misérables

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