遺体 明日への十日間 | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

遺体 明日への十日間

86点
2011年3月11日に起きた東日本大震災直後を描いた物語。次々と送られてくる遺体を安置する体育館が舞台。
映画はドキュメント映像ではなく、役者が演じる再現フィルムという形を取っている。
そのため遺体描写も容赦せずそのまま描かれており、思いのほか内容は衝撃的。死体映像満載なので興味本位では見ない方がいい。
地震や津波の直接表現はほとんど無く、ただひたすら安置所での数日間を表現しているため、映画としては未熟な部分が目立つ。
その一方で、無駄な人間関係の背景には触れていない。あくまでおびただしい数の遺体のみに焦点を当て、ストレートに表現した手法が地震の恐ろしさを物語っている。
死体処理ではなく、あくまでご遺体を送り出すという理念のもと、主演の西田敏行の過剰に暖かみのある口調は賛否別れるかも。
けどそういう不器用な面も含めて、理屈じゃなしに心に響いてくる作品。まぁ内容が内容なだけに、2度見る気は起きないんだけど。


監督:君塚良一
出演:西田敏行、緒方直人、勝地涼、國村隼、酒井若菜、佐藤浩市、佐野史郎、沢村一樹、志田未来、筒井道隆、柳葉敏郎
2013年  105分