残穢(ざんえ)-住んではいけない部屋- | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

残穢(ざんえ)-住んではいけない部屋-

15点
小野不由美のホラー小説を映画化。監督は『アヒルと鴨のコインロッカー』『チーム・バチスタの栄光』『ゴールデンスランバー』など個性派作品で知られる中村義洋。
ただ結論から書くと、思い切り期待外れ。
主人公は「私」、そして一緒に真相を探る相手が「久保さん」。小説をそのまま実写に引用した印象。そのため導入部から中盤にかけてがやたら説明臭いんだな。複雑というか面倒というか眠くなるというか。ホラーよりもミステリー的イメージが強く、怖いシーンはほとんど出てこない。
かと言って内容的に濃密かと言うとそうでもなく、住んでいたマンションが建つ前に何があったのか?程度のレベル。それほど衝撃的な真相は無く、見せ場も少ない。
小説だとラストで「残穢」が読者にも降りかかるような気味悪い締めだったんだけど、映画だと登場人物だけで完結しちゃってるんだよねぇ。別にあんたらがどうなろうが知ったこっちゃないみたいな(笑)
文章では怖くても、それを上手く映像で説明しきれなかった。完成度の高い原作を映画にすることの難しさを改めて実感したような作品。 


監督:中村義洋
出演:竹内結子、橋本愛、滝藤賢一、佐々木蔵之介、坂口健太郎
2016年  107分