良い胚盤胞ができるためには | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

良い胚盤胞ができるためには以下の3つがポイントになります。

①良い卵子を採卵する

②良い精子を射出する

③培養状態を良くする

以下順番に説明したいと思います。


①良い卵子を採卵するためには

刺激方法の工夫 、注射の種類の選択、採卵のタイミングの最適化、採卵時の卵子の取り扱い 、これら次第で大きく変わります。

過去の記事に刺激方法や採卵方法等を参考にして下さい。


②良い精子を射出するためには

禁欲期間採精場所生活習慣採取方法 、で精子の質が大きく異なります。

アルコール、タバコ、運動、ストレス、睡眠なども精子の質に関係してきます。


③培養状態を良くするためには

A:培養庫を正しく管理する

培養庫内の温度、湿度、PHを正確に測定し安定させます。

症例数が多い場合はそれに見合うだけの培養庫が必要となります。

多数の採卵数がある施設では培養庫がたくさん必要になりますが、もし不足している場合は正しく管理できていない可能性もあります。その結果胚の発生に影響を及ぼしている可能性があります。


B:培養士の技術

卵子、精子、胚の取り扱いは培養士の技術次第で良くもなり悪くもなります。

特に顕微受精は培養士の腕に大きく左右されます。


C:培養液の選択

培養液のメーカー、ロットにより培養成績が変わる事があります。

その患者にあった培養液を使う事が大切となります。


D:培養室の環境の整備

クリーン度を高く保つ必要があります。

培養室の温度、湿度、光、VOC に対する配慮も必要です。