夫の不妊治療への参加 | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

夫の不妊治療への参加について


「夫が精液検査は受けたくないと言っています」

「夫が治療の相談に乗ってくれません」

「自分は何も問題無いと根拠のない自信ばかりです」

「年齢も考え私は体外受精をしたいけれど、夫は体外受精までして子供を作る事に反対しています」


この様な悩みを持つ方がかなりいます。


男として、夫として、妻に対してのプライドや恥ずかしさがあるため、何も分からない最初のリアクションとしてこの様に考える事は普通の反応と言えると思います。


また、精液検査の結果が思わしくない場合に、妻から精子が少なかったと伝えられると、男性としてはかなりショックだと思います。


医師から言われるならまだしも、妻から一番聞きたくない事を言われて、とても受け入れ難いと思う方もいるかと思います。

これに関しても全く普通の反応であると思います。


ただ、ひと昔前と違い「不妊は全て女性のせい、男性は関係無い」と言う考えは今や全く通用しません。

昔は結婚して2年子供が出来ない場合は全て妻のせいにされて離婚させられたという時代があったと聞きます。


今は、不妊の40~50%は男性が原因と言う事がはっきりとわかっています。

そのため、男性が協力することなしに治療を行う事は不可能と言えます。

また出産年齢の高齢化が進み、待った無しの状況となっています。


女性は、もの凄く悩み、辛い思いをして治療をしているので、せめて精液検査くらいは協力してあげても良いかと思います。


また、治療に対してなるべく協力的に相談に乗ったり、説明会を一緒に受けに行ったりすることも是非してほしいと思います。

治療説明会では医師が論理的に客観的に話をする為、理解しやすいかと思います。また、ほとんどの方が夫婦で参加しているため違和感も無いと思います。


奥様から聞く事が辛い場合は、お一人でも構わないので病院に来て結果や説明を聞いて頂きたいと思います。


治療は心身ともに辛く大変であり、一人で頑張るのは限界があるため、様々な面において側で支えてあげて欲しいと思います。