自然周期で胚盤胞が出来る確率は? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

40歳です。完全自然のクリニックで治療をしています。採れる数が1個のため(空胞のこともあります)中々胚盤胞が出来ません。完全自然で採卵した場合胚盤胞が出来る確率はどのくらいでしょうか?

 
この様な質問がありましたのでお答えします。
 
自然周期だと育つ卵胞は基本的には1つとなります。
 
体質にもよりますが、1つの卵胞を採卵して採れる確率は大体8割前後かと思います。
 
トリガーの方法、年齢や卵胞の大きさにもよりますが、採れた卵子が成熟している確率は約8割前後かと思います。
 
顕微授精をして受精する確率は約8割です。
(培養士の技術によって70〜83%位の値です )
体外受精の受精率は7割前後になります。
 
一番の難関は胚盤胞になるかですが、40歳の方で約3割前後くらいだと思います。ただこれは培養環境により差が出るところで、施設により前後するかと思います。
 
これを単純計算すると、胚盤胞が出来る確率は
1✖️0.8✖️0.8✖️0.8✖️0.3=0.1536
 
40歳の方が自然周期で採卵をすると15%の確率で個胚盤胞が1個出来る、と言う計算になります。
もちろん培養環境や、個人個人で異なるため、全ての方に当てはまることではありませんし、これはあくまで単純計算となります。