港と人々~前進すること~2013.7.21 | 【心声(ココヘ)プロジェクト】

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今日の「正義」が明日の「悪事」。明日の「悪意」が未来の「正論」。
今を生きる人が為すべきこと。「今」を「未来」に繋ぐこと。

「21日、餅捲きすっから、良かったら来てね」

先日、そうご招待してくれた金比羅丸さん。
スズキ旗のお兄さんです。

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金比羅丸さんは造船所から早い段階で塩竃に入っていて、
塩竃で艤装をして、準備をして、
先日、磯浜に入港しました。

正式には、

「進水式は初めて船が水に乗ること」
だそうなのですが

「お世話になってる人達へのお披露目」として
旗をつけて、神主さん(磯浜では女性の神主さん)が神事をして、
船を清めて、海にお願いして、
「祝 進水」
としているようです。



一度港から出て行って、
港に入る前に儀礼をして入ってきた金比羅丸さん
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このとき、女の人は乗ってはいけないそう。
「船に女が乗るもんじゃない」
っていうのはやっぱりあるようです。

海には女の神様がいるから
ヤキモチを妬くそう。


今日、初めて金比羅丸さんのお母さんと3人の妹さんたちにお逢いしました。

昨日も、港を応援してくれている
「はじめまして」のステキな女性にお目にかかったのだけれど(>v<)

今日も、ステキな出会いに恵まれました。
昨日も今日もそうだったのだけれど
「初対面」という感じがしないのが一番の不思議です。

「あなたが車の中で寝泊まりしてるって言う!」

と金比羅ママに言われました。
もう屋根の下で生活してますよっ

妹さんたちも、なんか本当に初対面の感じがしなくて
連日失礼な態度をとってしまったなーと思っています。(内心

「震災のあと、お墓参りもお盆も、ずっと此処にこれなかった」
「此処に来たのは本当に震災以来」

妹さんがそんな話をしてくれました。
初対面なんだけど、いろんな話をしてくれました。

「震災の後、5月に『そうだ、アルバム』って思って家に来た」
「アルバム残ってたの。全部一人できれいにした」
「その中に、此処(磯浜漁港)が開港するときの写真があったの」
「そこにいるおんちゃんら、みんな若いの(笑」

金比羅丸さんの前で、
岸壁に並ぶように座りながら談笑してた漁師さんたち。
上は64から、下は31まで。
役員は50代の漁師さんたち。
そして40代、30代の多い
比較的若い港です。

その50代漁師さんたちがまだ若かった頃、
20代の漁師だった頃に
磯浜漁港が開港した。

まだ30歳くらいの港であること。


お姉さん(妹さん)の話を聞いてて、
なんだか勝手に、その写真の光景を想像した。

港が生まれるところを見て、
港と一緒に育っていった漁師さんたち。
そして震災が起きて
もう一度生まれ変わろうとする港。

漁師さんたちは、磯浜の大きな歴史に
2回も立ち会っているんだな、……って思いました。

だからこそかもしれない。
あきらめないのも、此処で頑張ろうとするのも。

初対面なのにそんな話をしてくれたお姉さん(妹さん)、
なんだかありがとうございました。

すてきな金比羅兄弟でした。

家族みんなで兄と船の前進を応援している

そんな感じがしました。
他人がそう思うのだから、きっとそうなんだと思います。


そして、
漁師さんたちの本日はとても忙しく。

16時には山元役場に向かい、
そこから仙台港にてフェリーに乗り込みました。

北海道視察です。
3泊4日?
4泊5日?
1週間ほどお別れです。

先ほど、漁師さんからメールをいただきまして。


フェリーの中ってすっげーきれーーー!!!
(フェリー乗ったことない)

見たことないので、とてもブルジョワな船内に見えましたw


新しいコトって不安もたくさんあるし、
進むことが怖くなったりします。
なんだけど。

磯浜漁港とともに育った漁師さんたちは、
噴流式マンガの研修視察で北海道に向かいました。

いろんな人たちの協力と、
沢山の人達の期待を背負って

なにより、
港の復活を願って。


「前進する」ということは
大きなエネルギーを使います。

それは私も足を怪我した際に味わいました。笑

前に進もうと思うんだけど、
足が思うように上がらない。運ばない。
足って、思った以上に重いんだな!って思いました。
意外にエネルギー使うんだなって。

今の漁師さんたちは、
それ以上のエネルギーを使っています。

でも、
人々の期待も
失敗の不安も
「やるしかないんだ」っていう気持ちは
大きな燃料になってるのかなって思います。

なにより、「希望」という燃料があること。
「ホッキ漁の復活」という目標が近づいてきたこと。
なによりの活力になってるんだろうな、と思います。


「夢」ではない目標への実現に向けて、前に進漁師さん。

「震災の年の5月以来、やっと此処にこれた」
そう言っていた金比羅お姉さん。


今日は、いろんな人達が前に進んだ日かもしれません。



北海道での天候が穏やかで、
漁師さんたちがじっくりと漁具の研修視察を終えられますように!


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