4 | コウトオフィシャルブログ コウトの言葉

コウトオフィシャルブログ コウトの言葉

声のお仕事をさせていただいてます。
ここはTwitterには書けない僕の奥深い場所。

覚悟はいいですか?
それではごゆっくり。

術後の状態が非常に良い状態で、
ようやくブログもPCでかけるまで復活しました。
ここに戻ってこれる喜びがすごく強いですが、
まだ無理もできない体なので、のんびり復活しながら書き込んでいきますね。


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僕の数値はすでに透析準備段階まで来ていた。
クレアチニンの数値と尿素窒素が急性増悪。
だが、僕にはまだやり残していたことがあり、
準備段階の頃に先生に無理を言って様子をみさせてもらった。
入院の1ヶ月の間で日常生活を送れる数値まで下がり、
腎臓については問題ないところまで来ていた。

だが問題は腎臓が悪くなってしまった影響で、
今まで飲んでいた糖尿病の内服薬が飲めなくなってしまったことだった。


インスリン注射。
僕には縁のないものと決めつけていたもの。
だが、これを毎食前に打たないといけないと言われた時のショックは、
すこし大きかったものがあった。

僕の場合とても悪い数値だったのもあり、
びっくりするぐらいの単位数だった。
毎食打つめんどくささと常に病気なんだって思わせてくれる注射。
メンタルが弱い僕には少々堪えた。

だが、インスリンを投与してからというもの、
血糖値の数値はみるみるうちに下がっていった。
1ヶ月ちょっとで僕は退院を迎えた。


・・・


インスリンを打つことによりある症状が浮き出てきた。
先生からも「結構進行するかも」と釘を刺されていたことで、
それはある突然、ドバっと出てきた。
それは「目」だった。

糖尿病性網膜症。
病名はこれだった。
失明するきっかけになるとても怖い病気。

血糖が高い状態から急激に落とすと、
目の中の毛細血管から新たに新生血管が生まれ、
その弱い新生血管から出血をし、水晶体を濁らしてしまう。
ひどくなると網膜と眼底の間に血液がたまり、
最悪の場合網膜を剥がしてしまう。。。

俗にいう網膜剥離。

これになると一気に失明に追いやられる。



簡潔に、そしてスマートに先生は教えてくれた。
これを防ぐには、できた新生血管をレーザーで潰す、
レーザー光凝固術が一番効果的だととも。


僕には選択の予知はなかった。
すでに爆発をしている目に効果があるのなら手を打つしかない、、、と。
迷わずこの手術に踏み切った。



この手術。特に入院の必要もなく外来で終わる。
ただトラウマになるほど激痛を伴う。
出血が多ければ多いほど脳に痛みが響く。

一回で終わる手術ではなく1ターン(大体5、6回)で周期的にするものだった。
一回の照射で涙が出て、次の一回で激痛に目が揺れる。
目が揺れてしまえばレーザー光がずれて危ないらしい。
およそ500発のレーザーを毎回耐えなきゃいけなかった。


これをやれば、、、失明は防げる。
それだけを僕は励みに毎度脳に痛みが響く手術を受けた。

手術を受けたからと言って、全く出血がなくなるわけでもないって知ったのもこの頃だった。
出血をすると不思議だった。


目の中に習字の墨で線を書いたような模様が浮かぶ。
それがだんだんと滲んでくる。
滲んできた後にだんだんと目の中が霞んでいく。
よく霞がひどいと、よく濃霧で先が見えなくなるような感覚があるよね。
そんな状況に陥るんだ。

両目ではなく僕の場合は左目だけだったこともあって、
左右の視力差がはっきり違ってしまい、
常にめまいや気持ち悪さ、そしてまっすぐ歩くこともままならない状況になる。
電車のドアに乗ることがとてもこわいってその時初めて思ったほどだった。
もちろん階段は手すりがないと乗り降りができず、
目を閉じたところで霞は暗さの中に残るほど。。。



もう大変だった。
精神的にも肉体的にも病気に追いやられ、必死だった。
それでも毎日生きていかなきゃならなくて、
でも毎回の健康診断が本当に恐怖でしかなくて。。。
一喜一憂できるなかで僕はいつこの腎臓がダメになってしまうんだろうって、
その先に見えない恐怖が目の中のかすみでぼやかしてくれる。
ただその目のかすみさえ完全に消えることはなかった。


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