フォト&エッセイ「Natural」は、姿月 あさとさんが宝塚退団後の2000年に出版したエッセイ集です。
いつも手の届くところに置いていました。何度読み返したか分かりません。そのせいでかなり傷んでしまい、古本屋さんにも引き取ってもらえない状態になっています。(^_^;)
その本を久しぶりに、再び読みました。
宝塚のこと。
宙組トップ就任を受け入れるまでの葛藤。
退団を決めた思い。
結婚。新しい生活。
「歌」
・・・について書かれています。
私は宝塚の舞台が大好きで、少女の頃から見続けて○十年。
でも、特定のスターのファンになったのは、安奈淳さんと姿月 あさとさんと北翔 海莉さんの3人だけ。それぞれに魅力的なスターさんはたっくさんいたけれど、退団発表を知りガックリ落ち込んで生活に支障をきたしたのはこの人達だけ。
姿月 あさとさんの退団発表は新聞で知りました。会にも入っていませんでしたし、孤独なファンでしたので、情報も皆無。朝刊を広げて見た「退団」の二文字から受けた衝撃は凄かったです。当時一番若いトップさんでしたし、まだ3作目の公演中でしたから、予想も覚悟もできていなかったのです。
働きながらの子育て真っ最中だったせいもあって、感傷に浸る暇もなく、悲しさをひとりでこらえるしかありませんでした。
ずんちゃんの退団発表の後、雪組の「凱旋門」を観に行った時のこと。
舞台に感動して涙がひと筋こぼれたとたん、堰を切ったように涙があふれて止まらず困ってしまいました。なんで泣いているのか分からなくなるくらい泣いて、周りから見たらかなり変な人だったと思います。
とにかく辛くて、25年間一度も欠かさず購入していた歌劇もグラフも全てやめてしまいました。あの後、どうやって乗り越えたのかよく覚えていません。
幸い、ずんちゃんの活動再開はとても早くて、生きる希望を失くさずにすみましたが・・・。
宝塚の舞台を観ても「ずんちゃんがいたなら」とかなり未練がましい状態が続き、こだわりなく観劇ができるようになったのは、それから5~6年たった頃だったでしょうか。
同じ思いをしたくないから、決めていたんです。
宝塚は観て楽しむだけ。二度と宝塚の男役にはまるようなことはしないと。
長く生きていると思わぬことがあるもの。
自分自身の学習能力の無さに、自分でも厭きれますが。
再び、宝塚スターの退団発表で悲しみにくれる日々が始まりました。(><;)
フォト&エッセイ「Natural」を再読したのは、今の悲しさや苦しさを乗りこえるヒントになるものがあるかも?という思いからでした。
当然ですが、私が求める答えはどこにもなかったです。
悲しんで、寂しがって、苦しんでいた、当時の自分の姿を思い出しただけでした。
でも思い出したことがもうひとつだけ。
こういう時はいろんな感情を味わって、時間が過ぎていくのを待つしかないようです。
いつか必ず穏やかな気持ちで応援できる日が来る。それは間違いないから。