着付けの部屋に来た姑。

一気に部屋中が悪臭に包まれました。

ここは家族の着付けルーム。

着付けの係りの方は

「この人もma-家の方なのね」と思っているにちがいないです。


全身に犬の毛をつけて、髪の毛ボーボーでやってきて

いきなり


「ちょっと~!! 髪もくくってくれるで!!」

そう係りの人に大声で言いました。

「私どもは着付け専門ですので・・・」

「はぁっ? できんの?

ほな、美容のスタッフ呼んできて!!」

「こちらには美容スタッフはいないんです・・・」

「なにそれ!! 着せるだけ? ここの葬儀屋!!

んも~~!

まぁ しゃ~ない! 自分(着付けスタッフ)でいいから

髪くくって!!」


困り果てているスタッフ。

ただでさえ姑が遅刻してきて時間がなく、告別式まであと10分です。


「美容の免許もない方にお願いしても無理にきまってるでしょ。

自分でなさったらどうですか?」

母が口を開きました。


「それもそうやなぁ~。」

そういって髪を束ねました。


ぼっさぼさです汗

あまりにも汚いので再び母が口を開きました。

「お義母さん、ピンないんですか?

あるなら私が止めてあげましょうか?

髪の毛タレ落ちてますよ。」

すると



「いいよ いいよ。

ほなって


ウチ身内で~な~。


悲しい顔して

疲れ果てた感じを

出した方がいいだろ?

演出よ 演出」



私も兄嫁ちゃんもスタッフも「はぁ~??怒る」と

睨みつけました。


すると母は冷静に

「わざわざそんな事してくれなくて結構です。」

それだけを言いました。以後無言です。


私も母も兄嫁ちゃんも演出なんてしてないんです。

本当に本当に悲しくて、立っているのでさえ必死なんです。


忙しくても頭の中には

お父さんとの思い出がぐるぐる回っているんです。

その度涙が出るんです。


嗚呼、お父さんの変わりにお前に死んでほしい。(爆)


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告別式開始前、親族だけが席につきました。

父方の身内、母方の身内が対面に座ります。

私の目の前には母の親(私からしたらばーちゃん)の

兄弟大の仲良しが横に並んで座っています。

ばーちゃんだけが居ません。


それは

「ma-ちゃん、りょう君の事は心配しなくていい。

私が家で子守りしてあげるから。

嫁の実家の親っていうのは、極力遠慮するもの。

だから、私はお葬式は遠慮しとく。

大丈夫、ちゃんとお父さんとお別れしてきなさい。」


と言って留守番してくれているからです。


だけど、りょうがいるせいで

大の仲良し兄弟で、ばーちゃんだけがそこに居ない。そう

思ったら涙が出てきて・・・


しかも、お父さんと1番仲が良かったのは、ばーちゃん。

母が出張で居ない時、残業で遅いとき、

いつもばーちゃんがお父さんの様子を見に

家に来てくれていました。


なのに、そのばーちゃんがここには居ない。

そう思えば思うほど涙が止まらなくなり

過呼吸寸前で母に


「ばーちゃん呼んで。 

ここに居て欲しい。

りょうにだってお父さんの最後の顔みてほしい。」

と泣きくずれてしまいました。

(身内全員と400人の参列者の前でガクリ


すると母も

「ありがとう。

ばーちゃんも喜ぶし

お父さんも喜んでるよ。」

と涙を流しました。

それですぐ母の弟がばーちゃんに電話してくれました。


タクシー呼んで今から来てと。



でも、そういったものの80のばーちゃんが

オムツ、ミルク、お湯、を用意して

片付けてあるりょうのジャンバーを見つけて

電話帳調べてタクシー呼んで・・・・  そんな事ができる?


電話の向こうではウンチが出てギャン泣き中の声が聞こえてたし。


母も私も不安でしたが、もう告別式は始まる。

娘の私がこの場を立って車で迎えに行くわけはできない。


そもそもは旦那に

「葬式にりょうは連れてきたらダメ。

風邪うつされる。」

と言われていたので仕方なくばーちゃんが見てくれる事になったんです。


「連れてきたらダメ」というなら旦那が見ればいいやん!と思いましたが

さすが大魔神の息子、なんでも人任せ。


だけどね、父は、なかなか赤ちゃんができない私を想って


「お父さんの命と引き換えても

ma-ちゃんに

赤ちゃんができるように

してあげる!!


絶対できるから!!

心配いらんv(^-^)v 

元気で丈夫な子

産まれるから」


と、自分がどんなに苦しくても痛くても

私を安心させてくれました。

そのぐらい赤ちゃんが授かる事を願っていた父です。

妊娠中も私の心配ばかりしていた父です。


旦那よりもりょうの誕生を命をかけて

待ち望んでいた父に最後に会わせてあげないなんて

イヤでイヤで仕方なかったので

強制突破してしまいましたてへ



お経が聞こえてきました。

ばーちゃん来れるかなぁ。




15分ぐらいしてからかなぁ。

母、叔父同時に私の肩を叩きました。

2人が指さす方には、りょうを抱いた喪服を着た

ばーちゃんがハァハァいいながら駆けつけてくれていました!!


思わず号泣です。・゚゚ '゜(*/□\*) '゜゚゚・。 ウワァーン!!


ホントに来れるとは!! しかもこんな早くに!!


すると私の斜め後ろに座っていた姑が


「ちょっと!! 連れてきたよ!!

はよ行って、抱いてきな!!」

と言ってきました。

式の途中で誰がウロウロ歩けるのよ。

無視してやった。


思いもよらず400人を越える方がお葬式に来てくださり

葬儀屋さんもびっくりしていました。

その分、お葬式は長くなったのですが、

ずっとりょうは静かに眠っていました。


ばーちゃんいわく

「タクシーの中であんまりギャンギャン泣くから

心配してたんよ。 」

らしいです( ´艸`)  ご心配おかけしました。


無事に葬式が終わりました。

これから火葬場へ移動します。


ばーちゃんはりょうを連れてまた家へ帰りました。



はい、帰ったと思っていました。


実は姑が帰ろうとしたばーちゃんの所へ行って

「赤ちゃんをこんな縁起の悪い所へ連れてきて

何を考えてるん?

うちの孫に変なもんが取り付いて

今後の成長に支障があったらどうするん!!


それにそんな寒そうな服着させて!!

安っぽそうな服やな!!」


そういったらしいんです。お葬式の3日後にばーちゃんから聞きました。

3日間、1人悩んでいたそうです。



もう許せないカチッ


ジャンバーを見つけれなかったから、

ばーちゃんなりに厚着をさせてくれて

長肌着、コンビ肌着、ロンパスの上に

フード付きのフリースのつなぎを着せて

その上に羽毛入りのスリーパー。


これだけ着てれば寒くないですよね。

そりゃ確かにスリーパーなんか着ては外に出ませんが

80歳だもん、そんなの知りませんよ。

でもこのスリーパーはお祝いで頂いた高級羽毛入り。

おまけに、ばーちゃんは編み物教室の先生をしていただけあって

ちゃんと服の色合いも揃えてくれていました。


そのばーちゃんに向かって、あの女キティちゃん(`_´)


マジで抹殺したい。


私にも「あんな安物の変な服着させて」と言ってきたので


「えっ? お義母さん しらないんですか?

あれ高級なんですよ。

寒いどころか、暑いぐらいですよ。

さっすがばーちゃん。 よく知ってるわ。」

と言ってやりました。



だけど、ばーちゃんは姑の言葉でショックを受けてしまい、

お葬式の帰り道も、その日夕方も全くりょうが泣かないので

ますます心配になって

「自分のせいだ」と落ち込んでしまいました。


いつもギャン泣きの子が、あの日を境に大人しいし

長時間眠っている・・・と。


その日からばーちゃんは毎朝私に電話してきて

「りょう君、おかしなところはない?」

「元気?」と電話をしてくるようになりました。

そして心配のあまり80歳のばーちゃんが2キロも

痩せてしまいました。


もう私は姑が許せません。

今度何か言ってきたらブチ切れてやります!!



と、こんな感じで父のお葬式は姑にかきまわされっぱなしでした。


まだまだ腹の立つことはありましたが、

ひとまずこれで終了します。


ちなみに来週16日は三十五日(四十九日の変わり)の法要があります。

四十九日だと亡くなってから3ヵ月も経つので

それは良くないらしく三十五日になりました。


その日に奴は来ます。

来なくていいのに来ます。

きっとまた暴れるでしょう。

その時はここで愚痴らせてくださいね。


長々とお付き合いありがとうございました。