綾辻 行人
迷路館の殺人
出版社/著者からの内容紹介
奇怪な迷路の館に集合した4人の作家が、館を舞台にした推理小説の競作を始めたとたん、惨劇が現実に起きた!完全な密室と化した地下の館で発生する連続殺人の不可解さと恐怖。逆転また逆転のスリルを味わった末に読者が到達する驚愕の結末は?気鋭が異色の構成で挑む野心的な長編本格ミステリー。




はぁ~ またしてもやられたぁ・・・
今回こそは綾辻先生のトリックを見破ってやろうと意気込んでみたのに、あっけなく騙されてしまいました。

以下、多少ネタバレありです。

てかね、最初っからすっかり騙されてたんだよね・・(  ゚ ▽ ゚ ;)
この本で分かったことは、マリーが「まったく疑うことを知らない性格」だってこと。(笑)
あらためて思い知らされました。

今回の作品の特徴は、「作中作」という形で描かれていること。
綾辻先生の迷路館の殺人のなかに
鹿谷門実の迷路館の殺人が描かれる。
鹿谷門実の作品にも表紙があり、あとがきがあり、さらには出版社の判子までしっかり押されてあり、分かりやすい作中作とでもいうんでしょうか?こーゆう演出は好きですね~♪

結局、物語は2つの結末があるんだけど、
このトリックは正直、全然気がつかなかったです。
(気づける人なんかいないでしょ??)
ま~、鹿谷門実の結末で終わっちゃったら、もぅ綾辻先生の館シリーズ読むのやめようと思ってたくらい、簡単に(?)予想できちゃう内容ですもんね・・・

もぅこれ以上書くと犯人の名前まで言ってしまいそうなんで、この辺でやめときましょう。


作品の中で共感できるくだりがあったので、それを紹介。

 いわゆる作品の完成度とか、売れる売れないとか、そんなのは極端に云ってしまえば、私にとってはどうでもいいことなんです。こんなトリックは実現不可能だとか、警察の捜査方法の記述が実際と違うとかね、細かい作品のキズをあげつらうような評価の仕方にもうんざりです。肝心なのは、正にその、何か過剰なものにどれだけ私の心が共鳴するかということであるわけで・・・(以下省略)

作品の評価なんてものは人それぞれだけど、
上記の内容は、マリーにとって「ミステリー小説を楽しむための解答」といっても過言でないくらい、ピッタリくるものでした。




★★★★☆