出版社/著者からの内容紹介
夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやってきた英都大学推理小説研究会の面々を、予想だにしない事態が待ち構えていた。山が噴火し、偶然一緒になった三グループの学生たちは、陸の孤島と化したキャンプ場に閉じ込められてしまったのだ。その極限状況の中、まるで月の魔力に誘われたように出没する殺人鬼! 有栖川有栖のデビュー長編。
久しぶりの本格ミステリーです
有栖川有栖の作品は、随分と前に 乱鴉の島 を読んでスキになったのがきっかけ
乱鴉の島は孤島に取り残されるという、密室状態でした
今回も同じように、キャンプ場で密室状態
矢吹山が突然噴火するという、ありえない設定でしたが、そんなわけで下山は難しくなり、キャンプ場に閉じ込められてしまいます
そして噴火の起きた日から一日に一人ずつ殺されていく
この本の特徴といえば、読者への挑戦
冒頭にもかいてありますが、後半きちんと間があけられています
読者が犯人を考える時間が与えられているとことが、なんか面白いですよね
たぶん、ちょっと勘のいい人なら犯人は分かるはず
マリーは、あのダイニングメッセージの意味はよく分からなかったけど、この人じゃないかなくらいの予想はできました
でも、マリーの場合動機から入るからダメなんだよね
やっぱり、推理の才能はないみたいってことが分かりました
久しぶりにミステリーを読んだせいか、夜中に読んでいたせいか、途中から読んでて怖くなっちゃいました
感情移入しやすいマリーですので、噴火の恐怖と、殺人の恐怖を自分のことのように感じてしまいました
それだけ、面白かったということですね
でも最後はすっきりしています
青春小説っぽい終わり方で、読後感はいい感じです
そしてマリーがすきなキャラはやっぱり江神さんかな
冷静でリーダーシップをはれる、そして最後は謎解きをしちゃう
江神にずばりと言い当てられた犯人が、あっさり非を認めてしまったところは、あっけなくて残念だったけど
次も読んでみようかな という作品になりました