テーマはダイエットコラムですが、単なるコラムです(笑)

みなさんご存じのように・・・ご存じない方もいるとは思いますが、ここでは「ご存じのように」としておきます(笑)・・・わたくし、いちおう薬学畑の人間です(笑)
薬学といっても浅く広くの分野なので、どの分野を専門にしているかで
合成系、分析系、生物系と全然違ってきます。
わたしはというと専攻は薬物動態学と薬物治療学の方。
合成系はからっきし苦手なので、ベンゼン環などなど構造式はあまり好きではありません。
類似構造=効果も似ている可能性がある・・・わけなので、
完全にスルーできませんから、それなりには勉強しましたけれどね(>_<)

今回は、専攻していた分野に関連した話題。
「効果がある」と「効果が出る」の違いに関したこと。

1.●●は△△の効果がある
2.□□は●●を含む

と来た場合、

3.□□を飲むと△△の効果がでる

と来るでしょうか?
いろいろなケースがあるのですべてが正解、すべてが不正解という断定した回答をすることはできませんが、
少なくとも、3.にならないケースが存在します。
たとえば、ニトログリセイン(成分名)。狭心症の発作の薬として有名です。

1.ニトログリセリン(成分名)は狭心症の発作の薬としての効果がある
2.ニトロペン(商品名 舌下錠=舌の下に入れて溶かして使う)はニトログリセリンを含む

と来た場合、

3.ニトロペンを飲むと狭心症の発作の薬としての効果がでる

は×です。
ニトログリセリンは肝臓での初回通過効果が大きいため、内服して小腸などから吸収させた場合、全身循環血に薬の成分が入る前に、肝臓で代謝されて効果がなくなってしまいます。
それゆえ、口腔内で薬を吸収させる、皮膚から薬を吸収させる、代謝されて体の中でニトログリセリンになるように合成するなどなど、いろいろな工夫がなされて、薬として使える形にされています。

また、一部の例外はありますが、たいていの薬は有効血中濃度というものがありますよね。
薬を使って、体の中での薬の濃度がある一定の範囲にあれば効果がでて、それ以下だと効果が出ない(もしくは効果が薄い)というもの。
抗生物質の場合は短時間でも一定の濃度以上になればOKですが、通常の薬の場合はその濃度を維持しないと効果が持続しないものがほとんどです。
このケースでは、

□□には効果があるけれど、飲む量が少なすぎたら効果は出ない

ということになります。
つまりは、効果があることと、効果が出ることは別問題。
効果があっても、効果が出るように設計して薬にしないと、効果は出ません。
医薬品の場合は、使って効果が出るような剤刑、量に設計されて作られていますが、
それでさえ、ぜったいに効果が出るようにするのは難しいです。
飲む人の状態、症状などによっても効果の出方は左右されますので。。。
医薬品でさえ、いろいろと難しいものです(-"-)

世の中には医薬品、医薬部外品以外にも、
「△△の効果を持つ●●含有」といった形の万人向け商品が多数存在しますが、
万人向けに「効果がある」=「効果が出る」設計になっているものが、
はたしてどのくらい存在するかははなはだ疑問なところです。

効果がある=絶対に効果が出ると勘違いしないよう、受け取っていきたいものですね。