Q&A642 テストステロンと自閉症の関連 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 現在妊娠中ですが、気になることがありまして、質問させてください。私は排卵障害でした。その原因のひとつがテストステロンの値が高いということで、体外受精をすすめられた経緯があります。妊娠中の母体または胎児のテストステロン値が高いと、自閉症になりやすいという記事を読み、心配になりました。不妊検査時の通院以来、テストステロン値は測っていませんが、妊娠してしまってからのテストステロン高値の影響、または今から投薬などできることはあるのでしょうか。

A これまで私は、テストステロンと自閉症についての記事を記載したことはありません。論文を調べてみると、確かにそのような論文が発表されていますが、現在まだ研究段階のようであり、結論的なことはわかっていません。

Neuro Endocrinol Lett 2014; 35: 553
要約:自閉症には様々なタイプがありますが、その病因は先天的(生物学的)あるいは後天的(環境、行動)なものなど様々です。自閉症の子どもは時にアグレッシブな態度を示すことが多く、その一因としてテストステロン(男性ホルモン)が考えられています。アグレッシブには爆発的なものとそうでないものがあり、爆発的アグレッシブは最も危険です。現在、どのようなお子さんにテストステロン拮抗剤が有効であるのかについては、現在研究が進められています。