Q&A1138 43歳、AMH 0.27、化学流産1回、頚管妊娠1回 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 夫41才、妻43歳、不妊治療歴1年強、AMH 0.27(2014.11)
2014.11 人工授精→陰性
2015.07 凍結胚盤胞移植→hCG 24.8、化学流産
2015,11 新鮮胚盤胞移植→陰性
2016.01 凍結胚盤胞移植→陰性
2016.04 自然妊娠→子宮外妊娠(子宮頚管妊娠)で、MTXを1度筋肉注射
一度着床して以降着床しないため、一度気分転換しようと言っていた所の自然妊娠、しかも子宮外妊娠でした。

Q1 MTX1度のみ投与していますが、何周期あけるべきでしょうか。主治医からは生理が2回来れば良いと言われています。
Q2 凍結初期杯が残っているため移植したいのですが、移植前に検査すべき項目はありますでしょうか。
Q3 初めての受精時、ふりかけで受精しなかった後全て顕微授精していますが、今回自然妊娠できたということは、ふりかけで大丈夫でしょうか。
Q4 来年1月で44歳となりますが、自然妊娠より、体外受精チャレンジすべきでしょうか。AMHが低く、注射しても反応ないため、いつもフェマーラで低刺激し、採卵前はスプレキュアとボルタレン座薬使用で1~2個の採卵、移植後はデュファストン、一度だけジュリアを服用していました。胚盤胞は3回に1度位のイメージですが、空胞は一度だけです。

A
A1 科学的根拠はありませんが、採卵周期はすぐ、移植周期は生理が2回来れば良いと思います。
A2 子宮収縮検査と不育症検査はぜひ行っておきたいと考えます。子宮外妊娠の方は子宮収縮により移植した胚が移動してしまう可能性があります。また、化学流産がありますので、不育症は潰しておきたいところです。
A3 自然妊娠できたということは、生体内では受精障害がないことを意味しますが、生体外でも大丈夫かどうかはわかりません。1回の採卵で1~2個程度の採卵の場合には、確実に受精させるために顕微授精が良いでしょう。
A4 自然妊娠のチャンスはありますが、体外受精の1/8の確率です。正解はありませんが、両者を併用するスタイルが良いと考えます。