Q&A1199 6日胚盤胞は5日目移植?6日目移植? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 33歳、第2子希望
第1子:5日目凍結胚盤胞(凍結時間不明)で妊娠出産
 毎回採卵はCD14、移殖周期のCD14のホルモン値は、E2 300、LH 53.6、P4 0.4、そして移殖はCD20でした。

今回も、CD14に採卵、6日胚盤胞を2個凍結。両方とも114時間で胚盤胞になり、139時間で凍結できたとのことです。医師からは移殖周期はCD14での来院を指示されております。もしそこで順調に排卵が進んでいた場合、実際に移殖するタイミングは6日目胚盤胞であれば5日目胚盤胞を移殖した時の1日後のD21が良いものでしょうか。今回の胚盤胞の場合、アシストハッチングの必要性はありますでしょうか。グレードはともにAと聞いております。

先生のブログを拝読していると、いかに移殖のタイミングが大切かが書かれており、最適なタイミングで行えたらと思っております。移殖のタイミングについてアドバイスいただければ幸いです。なお、生理周期はおおむね28日となっております。

A 誤解されている方が多いのですが、移植は生理初日からのカウントではなく、排卵日からのカウントになります。着床の窓も排卵日からのカウントです。したがって、生理周期はあまり関係ありません。

第1子の妊娠では、CD14でLHサージが出ていると考え、CD15を排卵日(day 0)に想定し、CD20(=day 5)の移植で丁度よくなります。今回の6日目胚盤胞は発育速度が遅いですから、内膜と同期させるには5日目(day 5)に移植します。

また、胚凍結すると外側の殻の部分「透明帯」が硬くなります。透明帯が硬いと、殻を破って胚が出てこれなくなりますので、凍結胚の移植前には全例アシストハッチングを行って方が良いでしょう。当院では凍結胚の全例に行っています。