Q&A1374 子宮内膜4mmです | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 41歳、治療歴1年
多発子宮筋腫(最大3センチ弱でその他20個程度):粘膜下層筋腫は2016年夏に子宮鏡手術にて切除
両側チョコレート嚢腫(4センチ弱)

タイミング1回、人工授精2回で授からず体外受精へ、1回目採卵で3AA、2回目採卵で3AA、4AB胚盤胞凍結

ホルモン周期1回目:エストラーナ4枚でE2 851.7、D20の内膜4.9mmにて移植キャンセル
ホルモン周期2回目:プロギノバ3錠/day アルギニン、ビタミンE服用でD21診察時 P4 8.61で排卵済み、また内膜4.2mmで移植キャンセル
ホルモン周期3回目:D3の診察時卵胞あり、D12の診察で排卵済み、また内膜4.5mmで移植キャンセル
ホルモン周期4回目:高温期よりナファレリール点鼻薬使用し、最終プロギノバ2錠/dayエストラーナ4枚でE2 554.9、D27で内膜4.6mm、移植決定 G-CSF注入後5日目に3AA移植するもhCG<0.5にて陰性
ホルモン周期5回目:高温期よりナファレリール点鼻薬使用し、最終プロギノバ2錠/dayエストラーナ4枚、血流改善を期待しバイアスピリンとメトホルミン1錠/day服用でD23 内膜 5.3mm E2 473.7で移植決定するも、G-CSF注入2日後に内膜4.7mmとなり移植キャンセル

内膜が自然周期でもホルモン周期でも薄く移植キャンセルが続いています。子宮鏡手術以前の内膜は計測していません。なお、プロラクチンは7.7でした。
残っている胚盤胞に遺伝子異常がないとも限らないし、年齢的にもあまりゆっくり構えてる暇はなく気ばかりあせっています。
こういう場合どのように治療を進めていったらいいでしょうか。内膜4mm台でも妊娠された方はいますか。最後の移植キャンセル時に子宮内膜の組織診をしていただきました。結果、炎症所見はなし、子宮内膜増殖症が疑われると記載がありました。内膜が薄いのに増殖症?と担当医もよく分からないとのことです。これには何か対処が必要ですか。

A   私は、内膜が4mm台の方に移植したことがありませんので何とも言えませんが、論文では妊娠報告があります。「内膜が薄いのに増殖症」とのコメントは、内膜の機能に問題がある可能性を示唆します。中国とスペインで行われている子宮内膜幹細胞移植くらいしか打開策はないと思います。