Q&A1402 胚盤胞?初期胚? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 41歳、AMH 0.6、31歳で円錐切除

36歳からAクリニックに通院、37歳から顕微授精を始めて、39歳で第一子を帝王切開で出産しました。40歳で第二子の治療を再開し、Bクリニックに転院しました。

Aクリニックは胚盤胞しか移植しません。
Bクリニックは採卵後、内膜が薄くなければ2日目や3日目に新鮮胚移植をします。複数の胚がある場合、グレードの良い胚を凍結して、他の胚は胚盤胞まで培養します。

私は顕微授精をやり始めてから、あまり胚盤胞にならないので、Bクリニックのように初期胚を移植してもらえるのは嬉しいのですが、複数の胚を凍結できた時、2個移植をやってみたいといつも思います。培養士さんも、2個移植の方が妊娠率が高いとおっしゃっています。しかし、私は帝王切開をしているので、2個移植はやってもらえません。やはり、帝王切開をしていたり、円錐切除をしていると多児妊娠になった場合、リスクが高くなるのでどこでも2個移植はしてもらえないのでしょうか。複数胚移植は多児妊娠になる確率が本当に高いのでしょうか。

最後にアシステッドハッチングのことについてですが、先日、Bクリニックで初めて凍結胚盤胞移植をした時に、培養士さんに胚の融解時に透明帯が薄くなっていたので、アシステッドハッチングはやりませんでしたと言われました。理由は透明帯が薄くなっている時に、やってしまうと胚を傷つけてしまうおそれがあるからだそうです。元気な胚だと、自力で出てきますので問題ないですと言われました。高齢や凍結によって、透明帯が厚くなると聞いたことがありますが、高齢でも融解時に透明帯が薄くなってきている場合、自力で出てこれますか。このように透明帯が薄くなっている場合は、アシステッドハッチングをやらないのが当たり前なのでしょうか。Aクリニックでは毎回やってもらっていました。年齢的に、このまま同じことを繰り返していたら、もう妊娠することはできないのではないかと不安でたまらないです。第一子は、病気のため生まれて数日で亡くなってしまいました。今度こそは、元気な我が子をこの手に抱きたいと切実に願っています。

 
A   AクリニックとBクリニックは両極端にあるように思いますが、どちらもできるようにするのが、全ての方に対応できるので、そのようなクリニックが望ましいと思います。
初期胚の2個移植は胚盤胞の1個移植に匹敵する妊娠率ですから、私なら初期胚の2個移植を行います。しかし、胚盤胞の2個移植は双子の可能性が高くなりますので、このような場合には避けるのが賢明でしょう。
凍結胚移植の場合には、透明帯が硬くなってしまうので、初期胚でも胚盤胞でもアシステッドハッチングは必須です。融解直後の胚は縮んでいるため、胚を傷つけてしまうおそれはありません。