Q&A1404 正常胚で化学流産 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 妻40歳、夫39歳 ロバートソン転座、男性不妊一人目妊娠中(5日目5AA)に深部静脈血栓塞栓症発症と同時に9w稽留流産(均衡型ロバートソン転座、21トリソミー保有)その後、PGSにて3個の正常胚を得ました。

 

6日目 6BB → 化学流産
6日目 5BC → 出産(帝王切開)
6日目 3BC → 化学流産

専門病院にて不育症の検査をして、血小板凝集能のみ引っかかりましたが、他は正常でした。それでも、帝王切開前日の夜までヘパリンを打っていました。
第二子を諦めきれず、再度採卵から始めようと思っております。
①血栓症既往の場合、前回の検査から1年以上たっておりますが、改めて不育症の検査をする必要はありませんか。
②正常卵を化学流産で終わらせないために、何か検査や出来ることはありませんか。なお、出産できた時も、判定日のhCGはとても低かったです。

 
A   
①不育症の領域は進歩が速いですので、新しくアップデートされた検査をお勧め致します。
②銅亜鉛検査とビタミンD検査をしてみてください。銅が高い場合やビタミンDが低い場合には不育のリスクが高くなる可能性があります。
また、慢性子宮内膜炎と子宮収縮検査は着床障害の検査ですが、弱い妊娠反応しか出ないような場合には、検査をお勧め致します。