Q&A1449 腺筋症でピル服用中 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 28歳、不妊治療をしているわけではないのですが、質問にお答えいただければ幸いです。


生理痛がどんどんひどくなり生活に支障をきたすようになり、婦人科を受診しました。子宮腺筋症と診断され、後々の不妊予防と痛み緩和のため、8ヶ月前から、ピルを服用しています。ルナベルULDを8ヶ月間続けており、痛みはほぼなく快適です。

現在独身で、残念ながら当面妊娠の予定はありませんが、できれば今後結婚し妊娠を目指したいと考えております。私のようにピルを長期間服用している場合、将来的に自発排卵や自発月経が戻らなくなったり、早期閉経する危険性は高くならないかと心配です。ピル服用前の27歳の頃に、当時は結婚も考えておりましたので、ブライダルチェックでいろいろ調べ、甲状腺や各ホルモンには問題ないと言われました。AMHは5ちょっとで普通とのことでした。

ホルモン剤を飲むのが不安ならやめればいい、とは思うのですが、服用前の生理痛を思い出すとピルをやめる勇気が出ず、どうすればいいか悩んでいます。

 

A ビルは極めて安全な薬剤であり、長期服用に関してのデメリットはありません。自発排卵や自発月経が戻らなくなったり、早期閉経する危険性はありません。むしろ卵子の温存になりますので、質問者さんのような場合には推奨されます。安心して服用を続けてください。なお、妊娠を目指す場合には、ピル服用後3カ月はホルモンバランスが戻りませんので、それ以降の妊活となりますのでご注意下さい(ピル服用後3カ月はAMHも低下します)。

 

下記の記事を参照してください。

2017.2.3「ピルの血栓リスク:ASRMガイドライン

2015.9.20「ピルによる子宮体癌の予防効果

2013.10.4「☆低用量ピルの違い

2013.9.6「☆女性ホルモン剤は太る?
2013.6.25「ターナー症候群の妊娠

2013.5.27「☆女性ホルモン剤を使うのは心配ですか?

2013.5.21「☆☆ピル(OC)のメリット

2013.5.14「☆体外受精前周期のピル(OC)のメリット•デメリット その1

2013.4.22「☆ホルモン剤(ピル)の使い方でAMHが半減?