クラシック & モダニズム -551ページ目

恥じらい

手を繋ぎ桜の傘に身を隠し

会いたくて風やわらかにつのる恋

母想う

ミルク色アカシアの香母のよう

立ち上がれ槿のように母の声

つづらなる茎に繋がれすずの花

すずらんの香り愛しく頬ずりを

出発

飛び立つは名残の雁か新世界

別世界菜の花咲きて深呼吸

おぼろ月

朧月愛しい君は何想う

我夫と呼ぶ声遠く朧月

手のひらに握り締めるは朧月

愁い

山小屋の窓の向こうは花の雨

涅槃吹きもう逝くと言う若人か