公共事業の役割 | ふるさとを守りたい、子供達の未来を守りたい

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日々頭に浮かんだことを語りたいと思います。

政府が今秋の国会提出を予定している経済対策の第2次補正予算に関して、短期の需要を創出する真水部分が足りないとの指摘がありますが、私はこれに加えて、公共事業の本来の役割という観点においても不十分な面があると思います。


16年度第2次補正予算では低金利を利用した国債増発により財源を調達し、リニア中央新幹線の建設に国費を投入することが目玉になっています。これ自体は私も大賛成ですが、リニアのような確実に黒字が見込める事業だけでなく、収益性は低いが公益上重要な事業を行うことも公共事業の重要な役割です。収益性は低いものの公益性の高い事業にこそ、低金利を利用した国費投入をもっと拡大すべきだと思います。


政府は熊本地震で大きな被害を受け運休している南阿蘇鉄道の復旧に国費を投入することを決めています。これについては評価したいと思いますが、財務省は全額国費負担に難色を示しているそうです。南阿蘇鉄道は収益性は低いですが、地元住民にとっては非常に公益性の高いインフラであり、政府は低金利を利用した国債増発で財源を調達し、全額国費負担で復旧を行うとともに、トンネル・覆道化などの今回の災害の教訓をいかした徹底した災害対策を進めるべきです。


南阿蘇鉄道のように大規模災害で寸断されるリスクを抱えている鉄道路線は全国に多数存在しており、大規模災害時の鉄道の復旧費用の全額国費負担を法制化するとともに、既存の鉄道路線の事前の防災・減災対策への国費投入を大幅に拡充することも必要です。


また、私の地元の愛媛・四国にも、収益性は低いが防災・減災など公益上、国費投入を拡大して早期に進めるべき事業が多くあります。そこで、国債増発を財源として四国において次のような事業を進めることを提案したいと思います。


南海トラフ巨大地震が発生した場合、津波などの被害が比較的少ないと予想される四国の瀬戸内海側から被害の大きい太平洋側に迅速に救援に駆けつける体制の整備が重要になりますが、そのために必要な四国の高速道路の整備は十分とは到底いえません。未開通区間が多く残されているほか、開通済みの区間でも暫定2車線のまま長年放置されていたり、積雪で頻繁に通行止めになる所や、地震や豪雨の際に土砂災害で寸断される危険のある箇所が多数あります。未開通区間の整備を可能な限り前倒しするとともに、既存の高速道路の車線拡幅、トンネル・覆道化、ノンフレーム工法などの最新工法を用いた斜面崩壊対策、融雪装置の設置などの大規模改良を早期に進めるべきです。

「ノンフレーム工法」
http://www.non-frame.com/



愛媛県の県庁所在地の松山市では通勤時間帯の慢性的な渋滞が問題になっており、地方都市の総合的なインフラ整備を目的とした新たな基金を創設し、松山外環状道路の早期全線開通、伊予鉄道松山市駅ーJR松山駅ー松山空港間の地下鉄建設、LRT方式での路面電車延伸、JR予讃線と伊予鉄道の郊外線の全線複線化、主要道路の踏切の立体交差化などを実現する必要があります。


今年、国土交通省から松山市の重信川や大洲市の肱川流域の以前の想定を大きく上回る最大規模の洪水の新想定が公表され、地元住民の間に衝撃が広がっています。これに対して関係機関はハードでの対応は難しいとして、避難などのソフトを中心に対策を検討するそうですが、インフラの不備や避難所の不足などソフト対策にも課題があり、ソフト対策の効果を最大化するためにも堤防や遊水池(地)、地下放水路の整備による避難時間の確保、避難道路の整備や避難所の増設などのハード対策が必要です。


「最強レベルの災害に対してハード対策は無力なのか?」http://s.ameblo.jp/nyako-0924/entry-12183792923.html


「超々インフラ論」http://s.ameblo.jp/nyako-0924/entry-12067954212.html


「四国超インフラ論」http://s.ameblo.jp/nyako-0924/entry-12077165300.html


「四国改造論」http://s.ameblo.jp/nyako-0924/entry-11950628021.html


「愛媛県南予地域沿岸の津波対策」http://s.ameblo.jp/nyako-0924/entry-12028195364.html