大川小裁判を考える 14億の賠償より10兆円の財政出動実現を | ふるさとを守りたい、子供達の未来を守りたい

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日々頭に浮かんだことを語りたいと思います。

東日本大震災の津波で亡くなった宮城県の石巻市立大川小学校の児童の遺族が市と県を相手取って起こした裁判で、仙台地裁は市と県の責任を認定して14億円の賠償を命じる判決を出しましたが、宮城県と石巻市は控訴する方針を決めています。


私は個人的には裁判という全面対決ではなく、他の形で検証と再発防止を検討していくほうが良いのではないかと思いますが、ご遺族のお気持ちは尊重するべきだと思います。ただ、一番大切なのは教訓を後世に伝え、二度と同じ悲劇を繰り返さないように防災・減災対策を進めていくことであり、そのために裁判の戦略を変えていく必要はあるのではないでしょうか。


市や県だけでなく、国の責任も問われるべきであり、国も被告に加えるべきだと思います。国が予算を付けて、古い地層の津波の痕跡を探したり古文書を分析するなどの調査を実施していれば、大川小への津波到達を想定できた可能性もあり、その想定に基づき、校舎を避難タワーとして使えるように高層化したり、裏山の崩壊対策と避難路や物資・非常用電源を備えた避難所の整備を行い、定期的にこれらを使う避難訓練を実施していれば、対応は違っていたはずであり、橋本政権以降、一貫して公共事業費削減などの緊縮財政を続けた国の責任は重大です。


南海トラフ巨大地震が想定される四国地方の山の地盤は非常に軟弱で、津波と土砂災害が同時発生する可能性も高く東日本大震災と熊本地震が同時に起こったようになり、山に避難して津波から逃れても土砂災害の危険にさらされる恐れがあります。二度と同じ悲劇を繰り返さないためには、行政や学校に対する責任追及だけでなく、津波避難ビルの整備や高台の安全対策の推進が必要です。


経常収支黒字、低金利、100%自国通貨建て国債の我が国においては、現時点において政府の「財政問題」は存在しません。この事実を政府(特に財務省)に認めさせ、災害対策のための大規模財政出動(年間10兆円程度)の継続的(10年間程度)な実施を約束させなければなりません。


14億円の賠償請求については、教訓を明らかにして再発防止を図るという最も重要な目的を達成する上において妨げになってしまうのではないかと思います。


少し話がずれますが、2012年に福井県で男子大学生が運転する乗用車が居眠り運転でセンターラインをはみ出し、対向車に衝突して大学生運転の車の助手席に乗っていたこの車の所有者の男性が死亡する事故が発生し、車の任意保険が契約者又は家族が運転していた場合のみ適用される契約だったため、裁判で「クラクションを鳴らしたりブレーキをかけるなどの対応をしていれば事故を防げた可能性があり、過失が無かったことは証明できない」として、対向車を運転していた男性に4000万円の賠償を命じる判決が出るなど、日本ではいわゆる「もらい事故」でも制度上、賠償責任を負わせられかねないのが現状です。

もらい事故で4000万円の損害賠償?福井地裁の判決が波紋」http://spotlight-media.jp/article/139547896994575232


政府は新な被害者救済制度を設けたり、自動運転技術の開発や普及を促進するなどの対策を進め、問題解決を急ぐべきでしょう。


14億円の賠償請求が影響して、今後、災害時に交通事故の賠償問題と同じような状況が多発することが心配されます。具体的に言うと、熊本地震で東海大学の学生寮が倒壊して学生が死傷したり、台風10号による河川氾濫で岩手県岩泉町の高齢者施設の入所者が亡くなりましたが、このようなケースで多くの訴訟が起こされ、同じ被災者同士が対立するという非常に悲しい事態になったり、関係者が賠償問題への発展を恐れ、教訓の継承が逆に困難になってしまう可能性もあるのではないでしょうか。


宮城県や石巻市の対応を肯定するつもりはないですが、14億円という多額の賠償金の財源が同じ被災者である市民・県民の税金で、大なり小なり市と県の財政を圧迫する以上、残念ながら立場上、控訴取り下げは現実的に難しいでしょう。また、同じ震災犠牲者の遺族の間で補償の格差が出たり、被災者が賠償のための税負担を負うことになり、被災者の間に分断が生じることは復興を進める上でマイナスです。


大川小学校のケースは確かに対応に問題があったでしょう。しかし、だとしても、大川小の児童や教員も含め、あの震災で亡くなった2万人近くの人の命は全てかけがえのない尊いものであることには変わりなく、ご遺族の悲しみ、苦しみも同じであるはずです。


そこで、賠償に関しては弁護士費用などの最低限の額にし、国を被告に加えて長年にわたり緊縮財政を続けて災害対策を疎かにした責任を問うとともに、補償については、裁判に加わっていない東日本大震災の他の遺族や、熊本地震や台風災害の被災者とも連携し、災害被災者や遺族に対する補償や支援充実のための法整備を求める政治運動で実現することを提案したいと思います。


震災の教訓」
http://s.ameblo.jp/nyako-0924/entry-12000014658.html

大川小学校の教訓」
http://s.ameblo.jp/nyako-0924/entry-12144174486.html



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