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続 サルでもわかるプリント基板のはなし~きばんやおやじのブログ

プリント基板の基礎から、実装技術を駆使した品質管理のノウハウ、コストダウンの方策まで、電子機器のものづくりのノウハウの虎の巻です

プリント基板の製造に関わる実装技術分野に限らず


技術の標準化が

重要であることは理解しているつもりだ。

しかし

標準化が生む弊害が

価格の過当競争を助長した一面もあると考える。

個人的にはその代表例が

多層プリント基板

ビルドアップ基板

などの高密度プリント基板にあると思う。

ある一面においては

製造技術や実装技術の標準化が

ノウハウの海外流出を招き、

日本国内の産業の空洞化を加速させた。

そんな風潮を変える趣旨もあって

プリント基板の

放熱技術を研究してきた。

この項では実装技術の面から

放熱基板について触れてゆきたい。

 
納品された製品の良否判定には
それを判定する取り決めが必要だ。
ただ
経鼻な問題である場合は
判定に逡巡するケースもある。
安易に不良品と判定することは
製品のコストに影響を与える一方
判定規格を緩和すると品質の低下を招く。
製造部門が日本国内に存在していた頃は
良否判定のための基準として
公的規格を判定するための
品質管理部門が設置されていた。
景気の低迷が長期化するなかで
良否判定基準の緩和がなし崩しとなり、
コスト削減の殺し文句により
安易な海外委託に依拠する企業が増加したように思う。
海外に製造を委託しても
品質管理部門は国内に整備しておくことが必要だ。
コスト逓減の目的から
海外企業に製造を委託する手法は
安易な対応に思われる。
トランプ大統領は自国優先主義を掲げ
製造部門を強引に自国に回帰させる政策を推進するが、
生産部門を中国に集中するフォード社のように
企業はコスト逓減を優先することは自明であった。
結局
自国優先主義は正解ではなかったということだ。

意思を表現するためには
その意図を伝達するための言語が必要だ。
言語には文法があり、
逸脱すると真意が伝わらない。
規格は言語の文法に該当し
ある事象が不具合か否かの判断基準が
規定されるところにある。
例えば、スルホールの品質の可否を判定するための
判断基準を目視に依拠することは不可能で
判定するための明確な基準を設ける必要がある。
基準が不明確な状況では、
品質の可否が恣意的に判定されるリスクがある。
特に海外企業に発注する場合には
品質の良否の判断基準次第で
不具合品が納品されるリスクも排除できない。
大袈裟に言えば
品質を保証するための法律が規格だと言えよう。
プリント回路基板の不具合の内容のコンサルティングにおいて
回路基板の品質確認を
目視に依拠する事例が少なくない。
プリント回路基板の品質確認は
目視で完結することはあり得ない。
残念なことに
目視確認のみで品質を保証することが可能であると
主張する人間が存在するところだ。
プリント回路基板の品質確認は単純なことではなく、
確認と検証の蓄積に基づくことを理解する必要がある。
公的規格の存在意義は理解する必要がある。