- フェリーニの8 1/2
- フェリーニの作品では、
- 「夢」や「妄想」が重要な要素として作品に入っていることは多いですが、
- この「8 1/2」では、話の大部分が「夢」と「妄想」。
この作品は、
マルチェロ・マストロヤンニ演じる主人公のグイドの自作自演で、
監督フェリーニ自身の自作自演とも言えます。
タイトルが、これまでの彼の監督キャリアの合計「8 1/2」ということからも、
これが監督自身の現在の心境を投影していると考えていいでしょう。
フェリーニ自身は当時、精神的な束縛を受けていたと同時に、
映画プロデューサーにより商業的な見地からあれこれ指図をされて
束縛されていたのでしょう。
映画も主人公が試行錯誤しながら妄想が進行していきます。
そして、主人公が精神的束縛の中で自作自演で進めていって、
ラストですべての精神的束縛から解き放たれて、
Life is carnival !(人生は祭りだ)と言い、
妻のルイーザが「あなたとやっていくわ」と言って、
陽気な人々が円を作って、手に手をとって踊り出します。
音楽が流れ、人々は喝采。
その表情は希望に満ち溢 れているように感じられます。
私はこのシーンをすごく気に入っています。
一昨日、「network」についてお話しましたが、
私のイメージする「network」とは、このラストシーンですね。
※今月末にハリウッド版が日本で公開される「Shall we dance?」も、
この映画を参考にしていると思います。
ニーチェやドゥルーズが語った「舞踏」が、
「8 1/2」 のラストシーンや「Shall we dance?」の中にはあります。
公開が待ち遠しいですね。