「落穂ひろい」

葉裏にながる葉脈のごとうたうたい うたいしうたは螺旋のキオク
ひらがなはファシストの顔を隠してあかあかのぼるあかときのそら
「ためいき」というふこうへとよりそってコウテイペンギンは宇宙旅行
配られた点訳の紙のしろさにくらむ夕ぐれ 空に刺されて
冬空たかくアジテーションうつくしく悪ガキどもの声いたずらに
週末婚を希求するきみ喋りだすオウム返しの恋愛理論
浜辺までたどりつきたいと願ったものたちにふりそそぐ鉄球
ペルセウスの祈りなどと詠むおとこ誰がために歌うたいあげしか