エンゼルス・大谷翔平投手(29)が16日(日本時間17日)、全米野球記者協会(BBWAA)が選出したア・リーグの最優秀選手賞(MVP)を受賞した。21年以来2度目の受賞となった。大谷は「特別なことだなと思います」と話した。

 文句なしの選出だ。今季は開幕前の3月に侍ジャパンの一員としてWBCに出場。投打の軸としてチームの中心に立つと、決勝・米国戦では1点リードの9回にマウンドに上がって試合を締めくくり、胴上げ投手になった。大会後休む間もなくシーズンが始まり、開幕投手を務めるなど、序盤から投打でフル回転。圧巻の活躍を見せた。

 投手としては4月終了時点で6試合に登板して4勝無敗、防御率1・85と好スタートを切ると、23試合の登板で10勝5敗、防御率3・14。8月に右肘内側側副靱帯(じんたい)損傷で離脱し、2年連続の規定投球回到達こそ逃したが、2年連続で2ケタ勝利を挙げた。

打者としては44本塁打を放って、日本人初の本塁打王を獲得。打率も3割4厘で初めて3割を超えた。6月には自己最多の月間15本塁打。6、7月と、2か月連続で月間MVPにも輝いた。右脇腹痛と右肘手術のため9月3日(同4日)の出場が最後になったが、135試合の出場で44本塁打、95打点、打率3割4厘、20盗塁。出塁率4割1分2厘、長打率6割5分4厘、OPS1・066、325塁打などもリーグトップと打者だけでもMVPに値するほど打ちまくった。

 MVPの最終候補にはワールドチャンピオンに輝いたレンジャーズのセミエン、シーガーの二遊間1、2番コンビも入っていた。セミエンは185安打、122得点がリーグトップで、シーガーは打率3割2分7厘が同2位、33本塁打、96打点だったが、10勝&44発の大谷は文句なしの選出だった。

 9勝&46本塁打だった21年は、48発で本塁打王のブルージェイズ・ゲレロらを抑えて満票で初のMVPを受賞。「満票でびっくりしたというか、良かったなと。皆さんが1位に入れてくれたことがうれしい。また来年頑張ろうという気持ちにさせてくれました」と喜びを口にしていた。15勝&34発だった昨季も最終候補3人に入ったが、30票のうち1位票は2票のみで、リーグ新記録の62本塁打を放ったヤンキース・ジャッジにMVPの座を譲り「ここ(MVP最終候補)に呼ばれたことも光栄なことですし、来年以降も数多く来られるように頑張りたい」と前を向いていた。

 今オフはフリーエージェント(FA)となり、移籍史上の目玉。激しい争奪戦が水面下で繰り広げられている模様で、史上最高額となる5億ドル(約756億円)規模の超大型契約が結ばれるとされている。来季は9月に受けた右肘手術の影響で打者専念が濃厚。来季はどのユニホームを着て、“一刀流”でどんな活躍を見せてくれるだろうか。

 

本当に素晴らしいことだと思います。