昨年甥っ子と二人で上野動物園にいった時のリンリン
台の上で前足をだらりと垂らし、全く動こうとしないパンダを見た甥っ子が
「動かないなあ・・・寝てるんかなあ・・」とても残念そうにしていました。
「パンダは朝寝坊だから夕方まで起きないんだよ」
確かそんな説明をしましたっけ。
でも寝ている姿も実に愛らしく、まさに棚に飾られたぬいぐるみの様でした。
私が始めてパンダを見たのは、パンダが上野に来園した年でした。
今でこそパンダは見慣れた動物ですが、その頃は想像の世界でしか
めぐり合えないこの容姿の動物の存在は、本当に衝撃の出来事でした。
動物園は大盛況。
カンカン、ランラン見たさの人々で、通路は長い列を作っていました。
案の定パンダはほとんど見えず
「足を止めないで下さい はい 前に進んでー進んでぇー」
やる気の無さそうな誘導係員の、感じ悪い低~い声だけが
パンダ舎の記憶として残っています。
2度目に上野でパンダを見たのは、専門学校の遠足でした。
見たと言ってもその日も「パンダお昼中」とやらで、端っこの方で丸くなっている
パンダの背中しか見えませんでした。
だから昨年見たリンリンは、全く動きはしなかったけれど
私がまともに見られた始めてのパンダでした。
通路も空き空きで、ガラスに顔をつけるほど乗り出しても誰にも叱られず
じっくり観察する事が出来ました。
やっぱりパンダはとっても可愛いです。
ずっと見ていて飽きない動物です。
そのリンリンが高齢の為に、今日この世を去ったそうです。
甥っ子もニュースで知って、「僕が見たパンダだー」と驚いて
悲しんでいるのではと思います。
そして大型連休中、上野動物園に行く予定を立てていた多くの子供達には
とっても残念で悲しいお知らせになってしまいました。
唯一の日本のパンダ リンリンよ さようなら。
どうぞ安らかにお眠り下さい。
そして多くの子供や大人までをも、長い間心を和ませてくれてありがとう。
上野にパンダが1頭もいなくなった事は、動物園にとってもマイナスですし
とても残念な事ですが、自分はパンダ外交はあまり好きではありません。
いなくなったからと、むやみにパンダをやれ親善大使だ、日中友好だとして
ねだる事だけは止めて欲しいと思います。
リンリンのこの死によって、そういう関係の作り方を見直す時期と
そう捉えて欲しいものですよ。