リリーッス!サオリリスです。

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今日は、【ここのがっこう】という学校の生徒さんたちの作品発表会に呼んでいただき馳せ参じてまいりました。

まずはじめに、ミキオサカベのミキオさん、リトゥンアフターワーズの山縣さん、お誘いいただきありがとうございました。
生徒さんたち、講師の方々、スタッフさん、皆さん、お疲れさまでした。

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【ここのがっこう】は、ファッションデザイナーを目指す方(だけじゃない新コースもある‼︎)の学校ですが、この度作品を拝見させてもらったところ、服という形に縛られることなく色々なアプローチがあって、大変おもしろかったです。

コンセプトも人それぞれで、ひとつもかぶることが無くて、どの人もよく考えられていて、ファッションデザイナーが服を作ることにここまでの想い、思想を持っていることに驚きました。

ファッションが単に着飾るためのものというだけでなく、メッセージやストーリーをたっぷりと含んでいることを知り、感心するばかりでした。

すごいよ、すごすぎるよ!

そんな中で私、恐れ多くもアドバイスする役目を仰せつかっていました。クソ生意気です。的外れなこと言ってなかったか心配です。

スミマセン、本当・・・

しどろもどろになりながらも、思ったことはチャッカリ正直に伝えさせてもらったんですが、自分でもまとめておきたいので書きとめておきます。


先ほども述べた通り、今日の発表会を通して、ファッションデザイナーが服を作ることにおいてコンセプトを大切にしているということをヒシヒシと感じたんですが、そのコンセプトにリアリティを感じたことはあまりありませんでした。

コンセプトとして、女性蔑視、LGBT、身体障害、安保法案、震災、などなど、現代社会の問題を取り上げている人が多くいました。
ファッションを通じて問題を提起すること、問題を解決しようとすることは、大変素晴らしいと思います。

偉いなぁ~!

でも、なぜあなたがそれを表現する必要があるのかわからない。あなた自身とその問題の結びつきを感じられない。そこにリアリティが感じられない。

なんかモヤっとする。

もっと話を聞けば理解出来たのかな?でもジックリ聞かないと理解出来ないコンセプトはもはやコンセプトとしてどうなのかな?

どことなく、交通安全や人権問題についてのポスターを描くという工作の授業や夏休みの宿題のようです。私もみんなも、どこかで見た標語や誰かの言葉、先生に言われたことなどを見本に描きました。私たちはみんな素直でいい子だったのです。だから、教室の壁に貼られたそれらは、揃って同じことを言っていました。「交通ルールを守りましょう!」「人権を尊重しよう!」

つまんない。

どの問題も、決して無関係なわけではないのだけれど、どうしてもあなたが描きたいものだとは思えない。もしも絶対に描きたいと思うものだとしたら、それが伝わらないということは、手法か何かが違うのかもしれない。
道徳的だけど、あなたが本当にどうにかしたい問題には見えない。他人の痛みを自分の痛みのように感じられる心優しい人なのかもしれないけれど、そういう風でもない。
例えそれがどんなに正しいことでも、嘘に思えてガッカリして冷めちゃうともう伝わらない。作る服や作ろうとするものがいいだけに、その不器用さがすごく勿体無い。

コンセプトはもっとシンプルでいいのかも・・・

最後に発表した女性は、小さい頃、同じ団地に住んでた一つ上のお姉さんが着ていたフリフリのワンピースが羨ましくて、それを再現したワンピースを作ったんだそうです。
別に社会の問題を提起することも解決することもないコンセプトですが、半径1mのストーリーには間違いなくリアリティがあるし、心に響きました。
そして、子どもの時に仲良しの女の子が持っていた人形や香り付きの消しゴムが欲しくてたまらなかった思い出が蘇りヒリヒリしました。

個人から飛躍したコンセプトが続いた後でこの女性の発表を見た時、個人的なコンプレックスだって立派なコンセプトになるんだと思いました。 

世界を変えてやる!そういう想いもすごくカッコいいけれど、自分や家族や友人や恋人のためのささいで着実なもの作りもステキです。その喜びがどんどん連鎖していって、いつか世界を変えられるかもしれません。

世界を変えちゃった!ってね。

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