過去に縋って生きていくことも
未来を夢想して生きていくことも
どちらもしていない。
今を大切にすることは
現実を見つめ、正しく理解すること?
でもよく陥るのは
今のことを唯一の真実だと考え
過去にあったものはもう
色褪せて失われたという虚無。
とくにそれは
人の想い。
本当に
それは失われたのか?
無常の世にあって
自分だけが何も変わらない
なのに周りだけが変わっていくと
そんな錯覚に
陥ってしまう時がある。
自分の薄情さは棚に上げて
周りだけが変わっていくと。
そのために
何か残したかった
のかと、思う。
ことば
声
それが私にとっての想いの残し方。
全て通ってきた道
そこに、たくさんの
素晴らしい出逢いがあって
掬い上げられて
想いを共有してもらえて…
もちろん
私には何もない。
でもふとした時に
残してきた足跡、ことばが目にはいる。
ああそうか
あの時、いただいた想いは
決して
嘘ではなかった
確かにあったと、思わせてくれる。
とっくに変わって
今は全く別の方向を見ているとして
もし
全てが消えた
なかったことにできるなら
悲しみや虚しさが
ここまで世界を浸食しないはず。
よかった
ちょっとほっとした。