発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ | 私、自閉症です。

発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ

今日は、『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ (健康ライブラリー) 』の本を紹介します^^


著者のshizuさんとは、以前からブログを通して交流があり、発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ (健康ライブラリー) 』の本の中で、私の幼児期のエピソードを掲載していただきました。

先日、shizuさんから著書をご恵贈いただいて、早速拝読したのですが、幼かった時の私の気持ちを丁寧に扱って下さっていて、とっても嬉しく思いました。

shizuさん、ありがとうございました^^


今回、このご縁がキッカケで、初めてABAについての本を読んだのですが、これまで私が子どもとの関わりにおいて心がけてきたことと同じこともたくさん書かれていて、とても共感しました。


たとえば、ほめ上手になること。

これは、できないことを叱るのではなく、できていることを認めて褒めることで、子どもの力を伸ばしていくのですが、発達障害に限らず、全ての子どもとの関わりにおいて大切なことだなと思います。


私のピアノレッスンでも、子どもが背中を丸めてピアノを弾いている時、「背筋を伸ばしてね」と注意するのではなく、たまたま背筋が伸びている時に、「おっ!その姿勢、とってもいいね~」とすぐに褒めるようにしています。

悪い行動に注目して注意するのではなく、良い行動に注目して褒めることで、子どもは「この姿勢がいいんだ」と気付くことができるし、1回、2回では効果はなくても、数か月続けていると、だんだん、まず背筋を伸ばしてからピアノを弾くようになってきます。

姿勢が悪い時に、「背筋を伸ばしてね」と注意しても、同じ効果はあるのかもしれませんが、同じ効果なら、できていないことを指摘するよりも、できていることを指摘して、子どもの力を伸ばしていく方が、大人も子どもも楽しい気持ちでレッスンの時間を過ごすことができます。


大人は、子どもと関わる時、つい子どものできていないところに着目して、注意をしがちです。

これは、子どもの問題行動に着目して叱ることで、その行動を減らそうとしているのですが、気を付けなければならないのは、叱るという行為は、癖になりやすく、また、エスカレートしがちだということです。

一度癖になってしまうと、気が付けば一日中ガミガミ子どもを叱ってばかり・・・ということにもなりかねません。


前回の記事で書いた、電車内のマナーについても、子どもが騒ぐ度に、「我慢して静かにしなさい!」と注意していれば、そのうち静かに立つことができるようになっていたのかもしれません。

でも、大人が一方的に叱る前に、「電車内でなぜ立っていることができないのか?」、「静かに立つためにはどうすればいいのか?」、騒ぐ子どもの背景にある原因を考えて、その原因に沿った関わり方することによって、大人も子どももイライラせずに、子どもの困り感を減らしていくことができます。

こうした関わりは、叱って済ませるよりも手間がかかるので、面倒くさいと思われがちですが、手間をかけた分だけ、子どもとの間には豊かな信頼関係が築かれていくことを実感しています^^


ただ、『子どもを受容しましょう』と言うと、「それなら、電車内で騒いでいる子どもも、そのまま受け入れなければならないの?」と言われることがあるのですが、受容と放任は似ているようで違います(;^_^A

定型発達の子であっても、ユニーク脳の子であっても、子どもに対して教えるべきことを教えるのは同じです。

でも、ユニーク脳の場合は、その教え方にちょっとコツが必要です。

子どもの気持ちを考えずに一方的に叱るのではなく、その子の脳のタイプを理解し、その子の気持ちに歩み寄った上で、その子に分かる方法で教えることが、本来の受容なのではないかなと私は考えています。


私にとって、療育とは、子どもやその家族のQOL(生活の質)を高めるために行うものです。

その人がその人らしく、充実感・満足感をもって生活していくために、必要な支援を考えたり、環境を整えたり、その人に合ったやり方で、教えるべきことを教えたりしていくことが療育なのだと思っています。


どんな子育てや療育でも言えることですが、『その子の生活の質を高めるため』ではなく、『発達障害をなくすため』や、『定型発達に近づけるため』に療育を行ってしまうと、それは子どもに「今のあなたではダメだ」というメッセージを送ることになってしまいます。

また、『定型発達に近づけよう』として、その結果、子どもが定型発達の子と同じように振る舞えるようになったとしても、それが子どもの人生を豊かにするとは限りません。

むしろ、定型発達を目指すことで、子どもの自己肯定感は傷つけられ、結果的に子どもも家族も追い詰めてしまうことも多いのではないかと思います。


shizuさんは『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ (健康ライブラリー) 』の中で、何度も笑顔の大切さを書かれていました。

私も、家庭の中で何より大切なのは、子どもの健やかな発達に必要な衣食住を保証し、リラックスした雰囲気の中で情緒の安定を図ることだと思います。

親や支援者が、穏やかな気持ちで子どもと関わり、大人も子どもも充実感・満足感をもって、日々の生活を安心して過ごしていくことができれば、とっても素敵だなと思います^^