出版の方法 -813ページ目

出版社における企画書の読み方

出版をする場合、企画書を書き、それを持って出版社や編集プロダクションに売り込みをします。

ただ、その場合に持って行く企画書のとらえ方が、書いた人間と読む人間とでとらえ方が違うように思います。

企画書を書く場合、ほとんどの方が、「こんな形態で本を出したいなぁ~」と漠然とイメージしながら書くことでしょう。
それは、著者の希望なのだと思います。

しかし、企画書を読む場合、「この著者は、このような形態でしか本を作りたくないんだぁ~」と思いながら読みます。
つまり、著者の条件だと思うのです。

このとらえ方の違いがどういうことになるかというと、企画書を書いた人間はあくまでも希望なので、譲歩するつもりであっても、読む人間は条件だと思って読むので、その企画書で進行可否を判断することになるのです。

具体的に言うと、企画書に「ハードカバーの本」と書いてあったとします。
企画書を書いた人間は、あくまでも「ハードカバーの本」が希望であり、そうでなくても構わないと思っていることと思います。
しかし、出版社は「ハードカバーじゃなきゃ嫌なんだぁ~」と思い、「ハードカバーじゃなきゃ本になるかもしれないけど、ハードカバーじゃ原価も上がるし、無理だな」と判断します。
結果、そのすれ違いで、本になるチャンスを逃すことになるのです。

これはカバーの話しに限らず、色(オールカラー)やページ数、判型などにも同じことが言えます。
もちろん、内容についても同じコトが言えるでしょう。

では、どうすれば良いかと言うと、このあたりのコトは書かないというのは手ですし、書いても「希望」と書き加えても良いでしょう。
いずれにしても、これが条件ではないコトが分かるようにし、譲歩する余地があるコトが伝わるようにした方が良いと思います。


便乗して、『出版相談室』をはじめます

私の記事を読んでもらうだけではなく、もっと皆さんの出版デビューの力になりたい!!


ということで、出版に関する質問や相談などをガシガシ受け付けようと思います。

自らグルっぽを立ち上げて、運営していく自信がありませんので、今回は知り合いが運営しているグルっぽにスレを立ち上げることにしました。


その名も『出版相談室』。


このスレを通して、皆さんの出版デビューに少しでも役立てれば嬉しいです。

ちなみに、以下のグルっぽにこのスレを立ち上げました。

よろしければ、ご参加ください。


全日本趣味起業協会
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なお、管理人には無許可なので、怒られたらすぐに削除する予定です。

逆に「うちのグルっぽでもスレ立てていいよ」という管理人の方がいらっしゃいましたら、連絡ください。


出版社での企画の決め方

ほとんどの出版社では、企画を提案して進行が確定するまでに2~3回の会議を通過しなくてはなりません。
各会議で話し合う内容や参加するメンバーは異なることが多いのです。

1回目の会議
ここでは、編集部内でネタを吟味します。
この時点では、書名案と企画概要ぐらいの簡単な情報で、多数集まったネタから選別するのが目的です。

2回目の会議
ここでは、1回目に通過したネタをより詳細に検討します。
この時点ではじめて企画書が必要になります。
ここを通過したら、よほどなコトが無い限り内定となります。

3回目の会議
ここでは、確定を前提として、営業など他の関連セクションの方も含めて、部数や価格、ギャランティなどを詰めます。
企画としては良くても、採算が見合うかなどにより、最終的な結論が出ることになります。

企画書を作成するということは、1冊分の本を書くのと同じぐらいの労力がかかります。
しかし、ネタ自体が面白くなくては、不毛な作業になってしまうのです。
なので、直接、出版社の方にお話しできる環境にあるのであれば、段階的に企画書を作成した方が良いでしょう。

また、ネタの段階では、出版社の方と話しをしながら決まるコトもよくあります。
「こういう人がこういう本を書いてみたいそうなんですが…」
「あ、それ、面白そうだね」
この時点で、何もしなくても1回目の会議は通過できたも同然だったりします(こういう場合、出版社の方が会議用の資料は作成してくれます)。

ちなみに、この会話を出版社の編集長や社長との会話だと、2回目の会議もほぼ通過できたも同然となるでしょう。
もちろん、3回目の会議はギャランティが決まる重要な会議なので、ここは両者共に軽々しく考えてはいけません。
その結果で出版社側が却下することもありますし、逆にこちら側からお断りする場合もありえます(極端に定額なギャランティ提示など)。

全ての出版社がこのような流れではありませんが、平均的にはそれほど外れていないはずです。
企画確定までのプロセスを理解することで、より効率的に売り込みをしてはいかがでしょう。