Fascial Dissection 5 days Course with Thomas Myers & Todd Garcia in Tempe AZ was finished.
ただいまアリゾナ時間で夜中の5時です。あと1時間後にはホテルを出発し飛行機にのります。
参加者の方のほとんどの方はもう1日施設見学や観光をされて帰られますので、一足早い帰国になります。
ブログの更新は第一日目のみとなってしまいましたが、本当に学びの多い5日間となりました。
最初にこの貴重なコースを指導してくださった先生方 Thomas Myers 、Todd Garcia 、谷香織さん、通訳、サポートのみなさま、キネティコスの皆様に心より感謝とお礼を申し上げます。
合計8体の冷凍のご献体を同じ部屋内で同時に解剖させていただくという本当に特別なこの機会を経験したことがしっかりと活かされるように、今後も学びを続けていき必ずどこかで還元させていただきたいと思っています。
出発前に書いたブログはこちらになります。
さて、どこから書いたらよいのか。
日本では子供と一緒に神戸にいる日曜日~水曜日はいつも22時には就寝。木曜日~土曜日もだいたい12時までには寝るロングスリーパーの私ですが、こちらでは1時間ごとに起きてしまうというかなりの睡眠障害。時差ぼけなのか、特殊な体験をしているがゆえの現象なのかはよくわかりませんが(もしくは両方かな)いまも本当は寝ているはずの時間ですが眠れずこうしてブログを書いています。
Day1のことを書いたブログはこちらになります。
Day2~Day5の解剖に関しては情報量が多いため、詳細は省かせていただきます。
FacebookやTwitterではそのときそのとき感じたことを少しは書いていますのでご興味ある方はのぞいてみてください。
以下簡単に書きます。
Day2
初日とおなじく、ホテル内のミーティングルームでセミナーののちラボに移動。
初日は背臥位(仰向け)で作業をすすめたがこの日は腹臥位(うつ伏せ)で背面の作業。
表層の筋肉群がきれいにみえるようなるべく全身の表皮と真皮・脂肪層を取り除く。
私のグループのご献体はとにかく脂肪層が少ない。脂肪層が多い他のグループに比べると
かなりEasyに筋肉層が美しく見える。器具の扱いにも馴れてきて作業は思いの他進んだ。
初日にくらべ恐怖や恐れはすくない。
だが、正直腹臥位から背臥位にしたり背臥位から腹臥位にしたりするのは怖い。全身の重みが感じられる。そして頭蓋の重さにも本当に驚く。
シンプルに「人間が立位で地球上で立っていること」に感嘆する。
その後また背臥位(あおむけ)に戻し外腹斜筋・内腹斜筋・腹直筋・内腹斜筋といちばん見たかった部分をレイヤーに分けていく。
想像以上の薄さに心底驚く。
おそらく病死されたご献体であるので健康体の方よりは腹筋群は薄いと思われるが、他のチームをみても、またトムの話からも「腹筋群は思っているより薄い」ということに驚くし、大切だ大切だといっている腹横筋に関しては「膜」のようなもの。腹横筋だけの動きを感じるのは無理じゃないかと思うが同時に腹圧は本当に重要であるとも感じる。
すべてがつながっている。それぞれの働きはたしかに違うのかもしれないし筋繊維の方向が違うのは間違いないがでも、解剖学の本のように分かれているわけではない。一心同体だ。
チームのメンバーは臭いにかなり敏感になっていたよう。
今回の解剖コースで自分がは「鼻呼吸ができていない」ことが有利に働いたのだけど、すごく珍しいタイプだということがわかったそれなりに問題だと思う。私は鼻からの呼吸を完全に停止することができるのです。
Day3
ホテル内のミーティングルームでセミナーののちラボに移動。
前日の作業の続き。
おのおの、頭部・胸部・腹部・下肢の筋膜をはがしていき、解剖学の本にでてくるような筋肉に可能な限り分けていく。
起始と停止部を残すことが案外難しいし、やはり解剖学の本のようにはみえないので特定が難しいものもある。
筋肉ではなくて「膜」もしくは「筋繊維のシート」のような筋肉もある。
間違えて大切な部分を切断してしまうことも。
大胸筋・小胸筋・前鋸筋などの筋肉を分けたのち 横隔膜を残す形で肋骨を切り取り肺を見る。
やっぱり本とは違う。
肺をさわるとふわふわシュワシュワしている。
なにかの触感に似ているな、とずっとおもっていたが、そうだ「白はんぺん」だ。
ご献体の肺が黒ずんでいて、トッドが「空気の悪い場所に住んでいたか肺の病気じゃないか」と第一印象を伝えてくれる。
肺や心臓はそのままにして3日目は終了。
思ったより進まない印象。解剖の作業は果てしない。
解剖学の本を作った先達たちのことを尊敬せざるを得ない。ものすごい過酷で繊細な作業。
腰が痛い。左腕が皮膚や筋肉を持ち上げる作業をつづけるため筋肉痛に。
足も疲れる。疲労がマックス。
やはり私だけが臭いによるダメージが少ない。
Day4
ホテル内のミーティング。アメリカのDVRTというトレーニングを作ったジョシュ ヘンキンとジェシカさんの話を聞く。ジョシュ ヘンキンさんは椎間板ヘルニアで内臓をよけて前側から背骨を手術した経験があるそうで、その体験談を聞く。DVRTを体験後にラボに移動。
この日は内臓を取り出すことがメイン。
内臓は8チーム順番にトッド、トム、ローリー、ホーリーの4人の誰かのサポートでとりだしていく。
うちのチームはかなり最後の方に。
ホーリーのサポートで内臓の摘出を始める。
胃袋は膨らんでいないとまったくわからない。
肝臓は大きい。
小腸はまとめると毒のある熱帯雨林のエリアにさく花のように。
大腸内には便が残っている。チーム7人のうち女性はわたし1人。男性陣は便に弱い。
献体に子宮がないことが分かる。
そして、他のチームの子宮をみせていただくが思いのほか小さい。まさかあの膜の中で赤ちゃんが育つなんて。本当に本当にミラクル。
膀胱の場所も本からはまったく想像がつかないところに。
そして驚くべきは腎臓。体の中で脳・心臓に続いて重要だとされる腎臓だが、骨には守られていない。
そのかわり、ものすごい量の膜にくるまれている。バックインバック。膜を取り除いてみたが一苦労。そら豆みたいな腎臓。本当にすばらしい。
肺と心臓の摘出にホーリーがすごく苦戦。
肺の裏側が肋骨の背面とべったりくっついていたからだ。癒着していた場所は石灰化していてバリバリと音をたてながらはがれる。
動きがなくなるというこが何を引き起こすのか、ということを痛切に感じさせる肺だった。
おそらく左肺は呼吸ができていなかった。そのためご献体の左半身はすべての機能が弱っている感じがどこをみても伝わってくる。
やはり動くことをあきらめてはだめだ。そのための予備知識がいかに大切かをひしひしと感じる。
Day5
最終日。ホテル内のミーティング。
トムから直接 Medicine of Space の概念を聞くことができた。
いまの社会では 医者・理学療法士・トレーナー・セラピスト・徒手療法家・各種マッサージ・ヨガ・ピラティスなどの専門家がそれぞれ良いと思うことを必死で提供しているが、今後の時代はそれらの分野の専門家がが協力し合うことで健康に生き抜くことを目指していくべきだと思っているし、そのことを追及していきたいとおっしゃっていた。そうなったら良いなと本当にそう思うし、そのような活動を私もしていきたいと思う。その後ラボへ。
最終日はトッドの提案により、各チーム1か所のみ「ぜったいに確認したいもの」のテーマを決めて解剖をすすめることに。私のチームは「中枢神経系」を見るというテーマになる。
トッドがサポートしてくれるまでの待ち時間に背面の多裂筋・回旋筋を見れるように準備。
工程は省略。
トッドのすばらしい職人技により多裂筋と回旋筋が現れる。上部組織は筋肉というより腱に近い組織が多い。
その後背臥位にもどしトッドが脊柱を横から切開してくれる。
しばらくすると中枢神経系がでてきた。おそろしく繊細だ。さわると溶けてしまいそう。
神経系がとりだされてからは主なジョイントを観察。
構造美。
最後、ご献体をきれいに包む。言い表せない感情につつまれる。トムのリードにより1分間の黙とう。ホテル
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コースの詳細は以上
その他に感じたことや得た知識は各レッスンやベリーダンスムーブメントインストラクター養成コースでシェアしていきたいと思っています。
またこれまで以上に「一生涯介護を受けないための知識」と「正しく動くことの大切さ」を子供も大人も関係なく、たくさんの方にお伝えしていければと気持ちも新たにしています。
最後に今回特にお世話になった皆様との写真を掲載させていただきます。
トーマス マイヤース氏