(稲荷山裏参道にある不動明王像)

令和4年(2022年)最初の夜中の伏見稲荷大社にやって来た。これから明朝5時頃まで稲荷山の山中に滞在する予定だ。今回はゆっくり登ろうと例年より早い時間帯の22時半頃に到着した。流石にまだその時間帯は訪問者も多く楼門付近では人のいない瞬間を狙っては写真は撮りづらかった。さて、本殿で今宵の安全祈願をした後に本殿向かって右方向の警備員哨所に当直の警備員への挨拶を兼ねてイノシシ情報を入手しに伺う。警備員から得た情報としてやはり稲荷山には常時30頭近いイノシシが生息しているらしい。結果として今回の登山では通常の四ツ辻を経ての稲荷山山頂巡りと荒神峯展望台に立ち寄ったが三ツ辻及びニノ峯付近でイノシシの足音は耳にしたがイノシシそのものに出くわすことはなかった。

但し以下のようなオチがある。

四ツ辻にて未明近くまで休憩をとった私は徐に稲荷山下山を開始した。そうして三ツ辻近くまで降り左手に折れて本殿に戻ろうとしたときに何故か不動明王に呼ばれているような気がした。不動明王の祠へは三ツ辻を左折しないでそのまま裏参道を直進することになる。本殿へは少しだけ遠回りになるが久しぶりの稲荷山登山でもあるので不動明王にも挨拶していこうと私は敢えて三ツ辻を左折することなく直進した。そうして不動明王の祠経由で本殿へ戻ったら何やら本殿付近が物々しい雰囲気になっており千本鳥居などの伏見稲荷大社境内への進入が立入禁止となっていた。

(イノシシ出没のため立入禁止)

私はまたも警備員哨所に向かい件の警備員に詳細を聞いた。彼によると午前1時半頃より千本鳥居及びその周辺にイノシシが大量に出没したので境内を立入禁止にしたとの事だった。即ち私は不動明王に加護されたというわけだ。タケノコのシーズンが終了した今、イノシシは秋のドングリのシーズンまでは下界の人間の生活圏まで餌を求めてやって来るのだろう。

今年の夜中の伏見稲荷大社や稲荷山もまたイノシシと猿とキツネと幽霊には苦労しそうだ。

願わくば怪我人が出ないことを祈る。


終わり。