学校で唯一の応募だったそうで、
とりあえず入賞出来て良かったです(*^^*)
-------------------------------------------
「リビング学習」の極意
我が家は五人家族である。
上から、長男高二、長女中三、次女小五。
もうすっかり身体も大きくなり、
全員が居間に集まると結構暑苦しいのだが、
皆、リビングが大好きで、
自分の部屋に籠もるようなことは、
インフルエンザで隔離された時くらいのものだ。
居間では、食事をして、テレビを見て、漫画を読む。
ピアノを弾き、絵を描いて、全員でトランプやUNOをする。
勉強することもその中のひとつである。
誰かがテレビを見ていたり、
ピアノを弾いている中で食卓に参考書を広げる。
休日は私が掃除機をかけている最中にも、
まったく動じることなく鉛筆を走らせていたりもする。
家族が集まっていれば余分な光熱費もかからずいいだろうという話もあるが、
そろそろ一人で集中して勉強しなくていいのかな?と、
少なからずそうして勉強した経験を持つ父としては不安を覚えないでもない。
しかし、
この「リビング学習」スタイルは完全に我が家に定着しており、
大学受験を控えた長男もこのまま居間で受験勉強をする模様である。
巷でも良いと評されるリビング学習。その効用には、次のようなことが挙げられる。
①わからない所を親に質問出来る
②集中力散漫になるのを親が注意できる
③躓きの場所を親が把握出来る
④家族が受験の大変さを理解し応援する雰囲気を作れる
うなずけることもある反面、
親の「コントロール」という部分には、異論がある。
我が家のリビングは前述の通り人口密度が高い。
当然、雑音も多くやかましい。
しかし、誰かが集中を始めるとそれに呼応するように空気が動いていく。
中にはピアノを弾き出したりする者もいるので、
静かになるということではないが、それぞれのやるべきことを始める。
まだ長男が小学生だった頃は、母親が導いていたが、
今では何も働きかけることなく、自然にそうなっている。
居心地のいい場所で、
みんなと気持ちよく過ごすために自ら呼吸を合わせることを覚えたのだろう。
リビング学習で親のすべきことは、「コントロール」ではなく、
明るい居心地の良い環境を作ることと、
家族であっても複数の人の集うリビングという「社会」で、
どうしたら気持ちよく過ごせるのかを教えることではないだろうか。
リビングは安らげる場所であって欲しいと、ずっと思ってきた。
そこには家族みんながいていつも心安くいられる空間がある。
どんなに散らかっていても、どんなに狭くてもいい。
学ぶことも、遊ぶことも、食べることも、休むことも、
ごく自然に「あたりまえのこと」として行われる場所であって欲しい。
家族みんながここで「人」として育まれていくような。
私も家族の一員としてリビング学習を一生続けていこうと思う。